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歌い謳われ魔王様!  作者: 熠椛メルト
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バニシングツイン

まじですいません,次もあります(断言)

 俺は九 緋梁。中卒で高校に受からず顔面採用のアイドルとして働いている。俺が18になった頃だろうか,愛する弟妹がおかしいと気付いた時は。弟は昔から独り言が多かった。それは自問自答にも,誰かと会話しているようにも思えた。それだけではなく,弟と話していると偶に別人と話しているような感覚に陥る事があった。妹は外で遊ぶことが多くなった。それ自体は何ら可笑しくないだろうが,日に日に小さな傷が目立つようになり,何処かの犯罪組織の活動と時間帯が被る事が多々あったのだ。

 俺がそんな不信感を隠せなくなっていると急に両親から呼び出された。そこで俺が知ったのはまるで夢物語の様な儚く,残酷な現実だった。


 それの証拠が1枚の写真と1本の映像。


 写真には凡そ人間の物とは思えない臓器の配置のレントゲン。誰がどう見ても大きさは違えど,脳や心臓等の主要な臓器が3つ確認できたのだ。急に両親からそんな写真を見せられても困惑するだけでまさかこれが弟の写真だとは思わなかった。


「皙はね...本当は3つ子だったの。」


 理解が出来なかった。俺の知る弟が3人に増える?天国か?


「皙にはもう随分前に話したのよ。貴方の中には兄と姉が居るんだって。貴方は何もおかしくないのよって...全部私のせいで...」


 途端に泣き崩れる母。どうやら3つ子を身ごもった時,母は日に日に衰弱していったらしい。しかしある日を皮切りに止まった。その理由が3つ子の融合。人体の神秘と呼ぶべき奇跡の誕生だった。一種のバニシングツインと思われるそれは最悪な形でまかり通ってしまった。当初医師はバニシングツインであると診断,失意にまみれながらも生き残った子供を出産した母は無事生まれてきた我が子に三つ子の1番上の名前,「皙」を与えた。

 皙は健康に育って行った。怪我や病気にはならず,病院とは定期検診以外の関わりを殆ど持っていなかった。物心着く頃には1人での会話が目立ったが,おそらくイマジナリーフレンドだろう,小さい子にはよくあることと医師に言われ両親も安心していた。

 

 それが間違いだった。


 それに漸く気が付いたのは皙が車に轢かれてからだった。幸い骨折で済んだが,話はそれで終わらなかった。その時撮ったレントゲンでやっと日の目を浴びた皙の異常な身体。主要な臓器を複数持ち,あまつさえそれで1人の人間として成り立っているという不気味でいて美しい完璧な新人類。医師は直ぐに皙の身体を細かく調べあげた。そこから導き出されるのは1つ。あの時のバニシングツインは子宮が胎児の死体を九州したのではなく,3体の胎児の融合だったのだと。

 そこからは芋ずる式に次々と問題が溢れ出した。先ず,双子の臓器の共有に前例が無かった訳ではなかったこと。その双子は当然二人共に人権が与えられる。それもそのはず,ただ臓器を共有していようと誰が見てもそれは奇形児ではあるが双子であり,医学的に見ても脳が2つあり,それぞれ独立している為なんの問題もなかった。

 しかし皙は違う。皙は3つの独立した脳を持っているが,身体は一つだけ。頭蓋骨に3つ入っているだけなのである。会話が可能な所を見るにおそらくは独立しているとして医学的には見ることが出来た。だが一般的には受け入れられないだろう。故に医師達は様々なカウンセリングを皙に施した。そして皙は出来てしまったのだ,別々の脳での応答が。真多重人格とも呼ぶべき生命体は,確かにひとつの体にみっつの魂を持っていたのだ。

 以上が皙についての全てだ,と話す父親。想像以上にカロリーの大きい物だったが弟妹が増えたので無問題。ちなみに上から皙,紬黄,せきの予定だったらしい。今の皙は元々せきというややこしい状態ではあるが。


「次に紬黄についてだが...」


「ちょっと待ってくれ父さん,一旦間を開けないか?」


「それもそうだな。」


 そういやまだ紬黄が残ってたんだった...皙が写真で,恐らくこの映像が紬黄の秘密...お兄ちゃんちょっと心配になってきた。

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