うん,無理
ごめんなさい
あの微笑み...間違いない,あの悪魔だ...でもおかしいな,悪魔は男だったはずだ。キャラメイクで性転換?出来るわけがない。男性と女性でどれほど違うと思っているんだ,余程医療に精通していない限り矛盾なく臓器を作ることなど出来ない。故にこのゲームはキャラメイクの幅が狭い,精々黒子やシミを消せるぐらいのはず...それがどうだ目の前の悪魔は目元以外の全てを変えて目の前に居る...
「ん?」
「いいよなお前は楽そうで...」
「んんんんんん〜?!」
言葉の意味を理解する前に頭突きドリルをかましてくるミカ。やめろリアルならともかくLeoでやると俺のHPがゴリゴリ削れるんだよ...
「いや何て?!」
そんなやり取りを母のような微笑みで見守るせきちゃん...
「...その笑顔の方が素敵だよ。」
「?!...へ?」
「んんんんん〜!」
「口説いてない!」
こいつ!スキル使ってまで噛んでやがる!本当に狼に育てられた訳じゃないだろうな?!
結局せきちゃんが落ち着くまでミカに噛まれてはひっかかれ,俺はポーションをがぶ飲みするしかなかった。
「お二人はやっぱり仲が良いんですね。すいません邪魔しちゃって...」
「「は?...はあああああああ?!」」
「い〜やいやいやいや?!此奴とは腐れ縁みたいなもんでせきちゃんが思っている程仲がいいわけではないよ!」
「そうだよ!誰がこんな我が名はゴハン・アブラハム・バーガー・キャベツである...みたいなネタ全振りな奴の事がす...好きなんてあるはずないよ!」
「誰がネタ全振りだって?!お前も狼に育てられた少女なんて名乗ってるだろ?!少女なんて年齢じゃないのに!」
「乙女はいつも心の中に少女が居るの!いつだってなれるの!ねぇ?!せきさん?!」
「いやいや!お前想造力足りなくて魔法少女に認められなかったって泣いてたじゃねぇか!」
「一体いつの話してんの?!確かに魔法少女にはなれなかったけどそれは昔の事だし今はどうかわかんないじゃん!」
「魔法少女ですか...懐かしいですね。」
「せきさんって魔法少女だったんですか?!」
「妹がそうだったんですよ...」
「っ...!」
ミカの顔が青ざめる...それもそうだ。せきちゃんがシャルボを使って曲を作るようになった理由,それは盲目になった妹さんを元気付ける為。普通のファンなら知りえない妹さんが元魔法少女だったという事...そこから導き出されるのは...
「今は割と平和ですが昔は酷かったですから...」
とてつもなく空気が重い...誰も一言も発せず,ただ時だけが刻まれていく...
「あ!そうだゴハンさん!見てくださいこの指輪,ちゃんと強化出来ましたよ!」
「...おめでとうございます。何か変わりましたか?」
「はい!最終AGIが10から11倍に『ヒットエンドラン』が『エンドレスラン』に変わったので常に2倍です。」
実質AGI22倍とか言うチート装備...普通に羨ま...じゃなくて...
「大丈夫?いい装備持ってるからって襲われたりしない?」
「大丈夫ですよ,私レベリング成功してLv100行ったんで!」
えぇ...やっぱこの人だけやってるゲーム違くない?もしかして運営の方だったりする?悪魔だし有り得るかもだけど流石にないか。
「ちなみに方法を聞いてもいいかな?」
「いいですよ,まずコウモリ化した高レベル吸血鬼を見つけます。次に圧殺で即死させて終了です。」
「「うん,無理」」




