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歌い謳われ魔王様!  作者: 熠椛メルト
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プロローグ

初投稿です!拙い文ではありますが,読んでいただけたら幸いです!

24.1/1 主人公の職業名を変更

「では,こちらの条件で誓約します。お間違いありませんか?」

 

 僕の名前はいちじく なつめ。表は親の会社の交渉役を,裏ではArtificialVoice,通称シャルボを使って歌を作るシャルボPとして生きている。今日の商談をえて作成した誓約書を取り引き相手に差し出す。相手が損する事は無い完璧な采配だ。


「...問題...ありません...。」

 

 何が不満なのか,相手が提示した条件とはかなり(・・・)変わったもののその条件よりこちらの方がずっといい。勿論こちら側も。

 

「では,解散としましょう。宜しければお送り致しますが?」

 

「いえ,迎えが来ますので...。」

 

 アフターサービスは断られたか。まぁいい,今日の仕事はこれで終わりだ。帰って...あぁそうだ,兄妹に誘われたVRMMOをするんだっけ,まぁ少なくとも退屈はしないだろう。

 

「無名の企業のフルダイビングなんて,昔じゃ何が起こるかわかったもんじゃないだろうな。」


 技術の発展により人類はよりリアリティを求めた。コントローラーが消えたのっていつだっけ,今じゃ化石のようなものだが故に値が張る。

うちの会社のタレントが勢い余って壊した顔は確かに動画映えしたけど後始末が大変だったなぁ。そんな事を考えているともう自宅が見えていた。


「ただいま。」


 この時間だと妹が居るだろうか。


「おかえり,早かったな。」


「商談が早く終わったからね。」


 珍しく僕を迎えたのは兄だった。名前はいちじく 緋梁ひばり。兄はうちの会社ではないがアイドルとして働いている。言わばライバル企業の稼ぎ頭だが,身内となれば憎めない。


「流石エースだな,俺のマネージャーも『あの悪魔が味方ならどれだけ仕事が楽になるか』って褒めてたぞ。」


「褒められてるの?それ。なつ兄おかえり。」


「ただいま,僕も素直に喜べないかな。」


 どっちもだと思うが正直な感想を口に出す。妹の名前はいちじく 紬黄つむぎ。全盲となった影響で引きこもった時期もあったが,それこそフルダイビング技術の応用で視力を取り戻し,今ではカウンセラーとしてうちのタレントを支えているなくてはならない存在だ。


「早速だが夕飯にしよう。今日は父さん達帰ってこないし明日は皆休みだ。早速夜更かししてゲームしようぜ。」


「私から二人に提案,二週間後にゲーム内で武の祭典っていうイベントが開催されるんだけど,二週間別々の道をそれぞれで進んでそこで一番驚かせる事をした人に焼肉奢りってのどう?」


「面白そうだね。」


 二週間は少し短い気もするがこちらには生憎あてがある。


「俺としては三人仲良くやりたかったが,それも面白そうだな。」


「お兄ちゃん達は焼肉奢る準備をしておいてね。」


 いきなりの勝利宣言に俺(・・)が闘志を燃やした。


「いいや,奢られるのは俺だから。」


 私(・・・)も楽しそうにしている。


「夕飯冷めるよ?」


 なんて言うが自分が一番早くやりたいのだ。


 その後の晩餐は火花が飛び交い,肉が焼けそうだった。


 ―自室にて―

 

 自室の三分の一を占領するそれは,静かに佇んでいた。技術発展により安くなってはいるが最新型を特注品も含めて三台用意出来るのは両親の努力のおかげである。

 

〔Liberty・each・online〕


 Leoと呼ばれるフルダイビング型VRMMOは全くの無名の企業の処女作にも関わらず今や金字塔である。リリースは二ヶ月ほど前だが紬黄のチューニングに時間がかかってしまったのだ。本人は申し訳なさそうだったが,可愛い妹を一人置いて楽しむなど到底考えられない行為だった。


「二週間で驚かす,丁度良かった。」


 最近ボカロPとしての活動が軌道にのり,十万人記念動画を何にするか考えている矢先,あるコメントが目に入ってきた。

 

『10万人記念は本人が歌ってみたがいいな』

 

本人の歌声に自信がなくシャルボPをしている僕にとってそれは死へのカウントダウンであったが,あまつさえそのコメントのいいね数が無視できない程なのである。

 なら違う声で歌えばいい。

それを可能にする装置が目の前にあるのだ。私(・・・)は嬉々としてダイブマシンに足を踏み入れた。

タイトル回収は結構後の予定です。

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