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入学試験

 バウンティハンターになるためには、バウンティハンターを管理・補佐し、彼らへの依頼の窓口となっている組織『日本バウンティハンター協会』が発行する『バウンティハンター免許証』を取得しなければならない。

 この免許を取得する方法はいくつかあるが、協会が全国で直接運営している『バウンティハンター育成校』に入学するのが、僕のような中学生が最も速く免許を取得する方法だろう。


 で、この『バウンティハンター育成校』なのだが、僕が住んでいる『久野市』にも存在している。それが『金章学園』。

 中高一貫校ではあるが、特技がいつ発現するかは人によりまちまちなので、高校からでも入学できる。

 余談だが、金章学園の直系ではないが系列の小学校も存在している。こっちはバウンティハンターの育成と言うよりは、幼くして特技が発現した子のために特技の付き合い方を教えるという意義が強い。


 そして今日、僕は金章学園の高等部入学試験を受けるのだ。

 入学試験は2日にわたって行われる。1日目の午前中に筆記試験、1日目の午後と2日目丸々使って実技の試験だ。


 この日のため、僕は特訓を積み重ねてきた。お父さんとお母さんも協力してくれた。

 その日々が実を結ぶと信じ、全力を尽くすだけだ!!




「筆記はまあまあ出来たかな」


 午後、ジャージに着替えて指定された試験会場へ足を運んだ。

 その会場は、普段戦闘訓練なんかに使われる施設らしい。

 そして僕にあてがわれたスペースには、ジャージとプロテクターを着込んだ女子がいた。


 彼女は、金章学園の在校生。これから彼女を相手にスパーリングを行い、戦闘力を評価されるのだ。

 ちなみに、スパーリング相手は特技を使うことを禁止されている。さすがに特技のぶつけ合いまでは受験生にはさせないらしい。


『では、試験開始!』


「いつでもどうぞ」


 試験開始の放送と試験の相手となる女子生徒に促され、実技試験の幕が開けた。


「いきます!」


 僕は女子生徒に向かい、パンチやキック、その他様々な格闘術を当て続けた。もちろん、当てる瞬間に筋力を強化し、打撃力を高めることも忘れない。


「いいね、君。じゃ、これはどうかな?」


 女子生徒はナイフ(刃はゴム製だった)をいつの間にか手に持っており、いきなり僕に突き刺そうとしてきた。どうやら、どこかにナイフを隠し持っていたらしい。

 しかし、僕は冷静に対処。ナイフが僕の身体に刺さる前に相手の手を打ち、ナイフをたたき落とした。


『犯罪者の中には、武器を隠し持っている者がいる。中にはとんでもないところに隠しているヤツもいるわ。だから、戦うときは必ず相手全体をくまなく見ておくこと。周囲の環境まで気を配れたらベストね』


 とは、母親の弁。その教えが、正に生かされた。


「へぇ、隠し武器に対応できるんだ。じゃあ、最終関門!」


 なんと、相手の女子生徒はいきなり逃げ出した。


「逃亡する犯罪者を追いかけられるかのテストだよ! 逃げる私に何発攻撃を当てられるか、見てあげる!」


「そういうことなら!!」


 僕は彼女を追った。筋力を瞬間的にしか強化できなくても、走力を上げるやり方はある。地面を蹴る瞬間に足の筋力を強化するのだ。

 最初は頭が混乱しそうになったものだが、今では何も考えずとも出来るようになった。

 その結果、スパーリング相手に数十発もの攻撃を当てることが出来た。


 そして、試験終了のブザーが鳴り響く。


「君、なかなかいいね。合否を判定するのは私じゃ無いけど、この学校に入学するのが楽しみだね」


「ありがとうございます」




 2日目の実技試験は、5人1組で行われる……のだが。


『人数の都合上、何組か4人組になっております』


 僕のチームは、その4人組に当たったらしい。


 さて、2日目の試験内容は、丸1日かけて事件捜査を行う。様々な手段を用いて捜査を行い、誰が犯人かとその根拠をレポートにしてまとめるのだ。

 普段は屋内戦闘訓練のための施設らしいこのビルの一室に、殺人現場を再現してある。

殺された人を囲っていたであろうテープ、血糊で再現された血痕、荒らされた室内。


 さらに捜査資料を一式手渡される。実際にどのように死体が倒れていたかを記録した写真(死体役は在校生らしい)、検死記録などが納められていた。


「さて、ここからどうやって捜査するかだけど……」


「あ、私、データ処理や解析が出来ます。なので、監視カメラをチェックしますね」


 チームを組んだ女子の一人がそう言ったので、監視カメラの確認を頼むことにした。

 残った僕達3人は、取り調べをすることになった。



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