ハーレム要員の本音
旅を終えた勇者は、ある日出来心を起こして、執事に声をかけた。
【A嬢】
え、あの方のことですか?
勿論、お慕いしておりますわ。
遠き異世界より、私達の為に降り立って下さった勇者様ですわよ?
この身も、心も捧げるのは当然のことではありませんか。
あの方ご自身も……え、夜の事は……そんな、閨の事を他の方に話すなんて……。
お許しください。とても口にはできませんわ。
あの方の側に侍る他の女性のことですか?
まぁ、力のある方には当然の事ですわ。
確かに、何も思わないと申せば嘘になりますけど……。
私だけでは、とてもお支えできませんもの。
【B嬢】
ああ、あの人のこと?
勿論好きだよ。
確かに、いきなり指南役兼従者にって言われた時は、かなり腹が立ったけど……。
え?当然だろ?私だってそんなに暇じゃないんだよ。
元々の仕事の引き継ぎにどんだけ頭を下げて回ったか……。
でも、怖いぐらいの勢いで上達していく天与の才。
今では、あの剣の腕。体捌き。痺れるだろ?
え、夜の方?
ふふっ、ま想像にお任せするよ。
あー、他の女の人達の事?
一緒にイロイロできて、なかなか楽しいよ。
反応もイイしね。
【C嬢】
え、旦那のこと?
うん、もちろん感謝してるよ。
旦那が助けてくれなかったら、あたしなんて今ごろどうなってたか……。
え、あっちのほう?
奴隷にされそうだったことを考えたら、ご奉仕するぐらい当然だよね?
うーん、あたしもそんなに経験があるわけじゃ、ないしなぁ。
とりあえず、ヤッタ次の日は腰が立たないね。
何人かと一緒にシテたらまだいいんだけどね。
とにかく長いんだよねー。
ほかの女の人たちのこと?
えー?!いないと困るよっ。
あたし一人じゃ、壊れちゃうしっ。
……それに、とろ〜んとしたところを舐めたりしたら、反応イイんだよねー。
あっ、イヤナンデモナイヨ。
【D嬢】
あぁ、旦那様の事ですか?
当然愛してますし、感謝もしてますよ。
冒険者と言えば聞こえが良いかもしれませんけど、要は単なる嫁き遅れ。
寄ってくるのは、ヒモ志望や強い女を合法的に痛め付けたいような奴ばっかり。
子供は欲しかったけど、害虫と一緒にはねぇ。
え、子作りですか?
ロクデナシの子供を産むくらいなら、才能ある男に子種を貰った方がずっと良いでしょう?
生活費も貰えますし……。
他の女性の事は特に気になりませんね。
どうしても私だけにして欲しいと思うほど、恋い焦がれているわけでもありませんし。
え、……まぁ、貴方はロマンチストなんですね。
奥様が羨ましいです。
でも、皆様こんなものでしょう?
仮に運命の人がいたとして……どこにいるか分からないその人を探す気力が私にはなかったのです。
【E嬢】
あやつの何が知りたいのだ?
……妾があやつをどう思っているかなどどうでも良いではないか。
……はぁ、……勝負に負けたからには、慰み者になっても仕方なかろう。
あぁ、妾は敵であった者に嬉々として足を開くほど酔狂にはなれぬよ。
良し悪し以前の問題よな。
閨に侍らねばならぬ時は、薬を含むことにしておる。勿論、媚薬と避妊に使われる娼婦が使うておるアレよ。
他の女?
居てもらわねば困るな。妾一人であやつの相手をせねばならぬとなれば、早晩気狂いになるのではないか?
「これは……だれがだれなんだ?」
「本当にお知りになりたいのですか?」
「……」
「詮索はせず、このままこの事はお忘れになることをお勧めします」
「……」
「因みに、順不同でございます」
「……」
アリシア:勇者を召喚した国の王女。
ベッキー:勇者を召喚した国の女騎士。
カティ:獣人の元奴隷の少女。
デイジー:ハーフエルフの元冒険者。
エリアーナ:元魔王。
勇者:召喚チーレム勇者。夢一杯のハーレムを作ったが……。
執事:召喚した国の王が付けたお目付け役。
女性達はナカヨクヤッテマス。