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初めて

作者: ↑MΦCCAHAN

いつも通り、いつも通り。そんなふうに生きてきたけど。


いつも通り光が丘行きの電車に乗り、

いつも通り前のカップルを見ていた。

私は、誰かの肌を感じられるのは常に、とても羨ましかった。

だから、私も本以外で恋人が欲しいと思いながらも、しかし再び、本に目を落とす。

いつも通りに、到着した本郷三丁目駅で降りる。

あーあ、本降りになってきた。なかなか酷い。加えて、少し積もっていた。私は電車の中で読んでいた本のスピンを、いつも通り本の裏から持ってきて、本に挟んだ。

出口を出て駅近くにて、家で食べる用に牛丼を購入した。今日の食欲はいつも通りなので、大きさは並にした。家への帰路はかなり寒かった。私はいつも通りポッケに手を入れながら、先を急ごとした。だが、足がとられ、なかなか早く進めなかった。肘のあたりがビニールの取っ手によって少し痛かった。はあー。

家のポストには、手紙が四折になっていたが、早く家へ入りたかったので、ポッケに入れた。ドアを開けてまず気づいたのは、カーテンがまるで水が左右に動いているようになっていたことだった。なんで窓が空いているのだ。

そんな外からの寒い空気が入ってきたときに思った。電車のように、私は本当に恋人がいれば満たされるのだろうか。私はそもそも恋愛に対して、何か根底的に理解が違う気がした。こんな感情は初めてだった。きっと、寒いから現実逃避なのかなと思い、窓を閉めて牛丼を開けた。


この男女の研究員はこのときの思考パターンから初めて性別AIへの発見へ至ったと語っている。

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