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「ほうほう」
「真面目に聞いてんのか? ヴァルゴは、どういうわけか、その研究施設があった星を、ぶっ壊そうとして『惑星爆弾』を持ち込んだ。爆弾の起動を阻止したのが、グスターヴ軍と、あと2人、誰だか分かるか?」
「分かんない」
チャツネがピーナッツを口に入れた。
「『ジロモキュ』だよ、『ジロモキュ』!」
「誰、それ?」
「お前、『ジロモキュ』も知らないの!? まったく、呆れるぜ」
マクスウェルは頭を抱えた。
「最近、グイグイと名を上げてる賞金稼ぎの2人組だ。その1人、ジローはヴァルゴと同じハイブリッドソルジャーだって噂もある。半端じゃない戦闘能力を持ってる。モッキュは小熊型宇宙人で、ジローのサポート役。その、かわいらしさが2人のファンを増やすのに一役買ってる」
「なるほど。それは分かったけど、それとランスと何の関係が?」
チャツネが首を傾げた。
マクスウェルが、ため息をつく。
「ホントにお前は、話のしがいがねえよ。ヴァルゴが『惑星爆弾』を奪うときに、ある傭兵団を雇った。それが…」
「『死神団』!」
「そうだ。ヴァルゴは奪った3個の爆弾のうち、1個を使おうとして倒された。残りの2個はどうなったのか? 少なくとも1個はランスが持ってる」
マクスウェルは、チャツネを手招きした。
チャツネが顔を寄せる。




