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「くれぐれも、油断はしないでくれ。ランスは手強い。そのリーダーを手に入れるのにさえ、私はかなりの金と人を失っている」とルートレーグが言った。
「分かりました。お任せください」
チャツネがリーダーをポケットに入れながら答えた。
「そのランスって奴は、死んだも同然ですよ」
「ところで」
ルートレーグが眉間にシワを寄せた。
「私はガツビィ・ブロウウィン氏に依頼しているのだが…」
ルートレーグの視線が、チャツネの横でボーッとしているガツビィに向けられた。
ルートレーグとガツビィの目は、まったく合っていない。
突然、ガツビィが声を出した。
「チャツネ!!めしは」
光の速さで、チャツネがガツビィの口を塞いだ。
「エヘへ」とチャツネが、苦笑いする。
「大丈夫です、ご心配なく。『宇宙一の殺し屋、早撃ちガツビィ』の孫、チャツネ・ブロウウィンが、ついてますので」
華やかなスポットライトに照らされたステージで、セクシーな衣装に身を包んだ踊り子たちが、官能的で蠱惑的な動きに満ちたダンスを踊る。
ムーディーなBGMが店内に流れていた。
海千山千の客たちで溢れかえる酒場。
ショーの演出のためのスモークが充満し、たゆたう。
踊り子たちの艶やかな仕草と豊満な肉体に夢中になっている客たちの横で、チャツネとガツビィは店の端の目立たない席に座っていた。
ガツビィは、ボーッと踊り子たちを見ている。
「何? じいちゃん、興味あるの? やだなー、ばあちゃんに怒られるよ」
チャツネが呆れた。
「さすが、『宇宙一の殺し屋、早撃ちガツビィ』だな」
チャツネたちの前に座った、痩せた若い男が笑った。
情報屋マクスウェル。