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ガツビィが、大きなくしゃみをした。
宇宙空間に浮かぶ小さな宇宙船内。
「じいちゃん、カゼ引いた?」
風呂から出てきたチャツネが心配そうに訊いた。
身体にバスタオルを、頭にはタオルを巻いている。
「チャツネ」
「何?」
「めしは、まだか!!」
「さっき、『筑前煮』食べたばっかりじゃん!!」
『筑前煮』とは、ブロウウィン家に代々伝わる、とても古い料理である。
チャツネがソファーに寝転び、タブレットを手に取った。
「あ! じいちゃん、ルートレーグさんから、メールが来てるよ」
チャツネが内容を読む。
そこにはブロウウィン家に対する感謝の言葉が述べられていた。
「それにしても」
チャツネが、ため息をつく。
「ルートレーグさんが、イレズミのスキャンが無くても報酬をくれるって言ってくれたのに…じいちゃんが断っちゃったから…。今から少しだけでも貰わない?」
「チャツネ」
ガツビィが真面目な顔になった。
「おしっこ」
「ここなら1人でも行けるでしょ!!」
チャツネがツッコむ。
「もー、やだーーっ!!」
チャツネの魂の叫びが宇宙船内に、いや、無限の宇宙空間へと響き渡った。
正義の殺し屋、ガツビィ・ブロウウィンとチャツネ・ブロウウィン、今日も今日とて、お仕事のご依頼、お待ちしております。
おわり
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
大感謝です。
チャツネとガツビィは、私の他の創作読み物にも出てきたりしております。←そんなのばっかり(笑)




