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ガツビィの表情が、みるみるうちにだらしなくなっていく。
ボーッとして、銃を手から落とした。
その場に座り込む。
「じ、じいちゃん!?」
「チャツネ…めしはまだか!!」
「わー!! このタイミングで戻らないでよ! せめて、私の手錠を壊してからにして!!」
「わしは知らん!! そんな奴は知らんぞ!!」
ガツビィが首をブンブンと横に振った。
「もー!! カンベンしてよ!!」
チャツネがガクッと、うなだれる。
突然、工場内に警報が鳴り響いた。
「何、何!?」
チャツネが慌てる。
(ちょっと待てよ…)
よくよく考えてみれば、おかしかった。
ガツビィが最初の銃撃で『バイパー』の男を倒してから、それなりの時間が経っている。
ここに来るまでに、すれ違った完全武装した戦闘員たちは何故、ここにやって来ないのか?
本来なら、応援に駆けつける敵との戦闘が始まっているはず。
チャツネは工場の入口で待たせていたサポートポッドに、急いで感覚を繋いだ。




