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「その女が居なけりゃ、鍵はグスターヴ軍に拾われて、二度と手に入らなかったかもな」
『バイパー』の男が、さらに皮肉る。
「礼として、お前の愛人にでもしてやったらどうだ?」
男の言葉にランスは「うるせー!!」と怒鳴り返した。
「女! 鍵はどこだ!?」
ランスがチャツネに迫った。
タバコ臭い息が、チャツネの顔にかかる。
「すぐに言え! さもないとお前を殺す!」
ランスが銃を抜いて、チャツネのこめかみに当てた。
「おいおい! その女が死んだら、鍵のありかが分からなくなるぞ!」
男が慌てる。
「くそ!!」
ランスがチャツネから、銃口を外した。
「お前は滅茶苦茶すぎる。こういうのには、やりかたがあるだろう」
『バイパー』の男がランスと入れ代わり、チャツネのそばへと来た。
「この女を締めあげても時間がかかる」
男がチャツネへと手を伸ばし…と思いきや、隣のガツビィの腕を掴んだ。
自分のほうへと引き寄せる。
「じいちゃん!!」




