43
チャツネがレーザーガンの銃口をアーチェラの、かなり上、天井近くに向けた。
「おや? 何のマネですか?」
アーチェラが微笑む。
チャツネはそのまま、レーザーガンを発射した。
レーザーは大きくアーチェラを外し、その後方へと進む。
必要がないため、アーチェラは迎撃しない。
レーザーは直進し、地下室の壁に当たると思われた。
そのとき。
突然、レーザーが空中の何かにぶつかり、反射した。
行き先が変わり、アーチェラの背後へと襲いかかる。
チャツネが透明状態で連れてきたサポートポッドが、反射鏡でレーザーの着弾点を変えたのだ。
これがチャツネの「曲射」。
アイスとマーシュを倒したのは、この技だった。
レーザーが、アーチェラの背後に迫った。
瞬間。
アーチェラのムチがしなり、レーザーを正確に捕らえた。
「なっ!?」
チャツネが驚く。
アーチェラが続けてムチを振り、チャツネのサポートポッドを叩き落とす。
床に落ちたポッドはステルス機能が解除され、姿が露になった。
火花をあげた後、動かなくなる。
「言ったでしょう、私の頭にはセンサーが入ってると。あなたが見えないようにしているつもりでも、私には丸見え。場所が分かっていれば何も怖くない」
アーチェラがムチを振った。
今度はチャツネのレーザーガンが、弾き飛ばされた。




