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(アラーム?)
アーチェラの落ち着きぶりを見て、チャツネの悪い予感は、さらに深まった。
(来るのが分かってたのか?)
チャツネの表情を見て、アーチェラが笑った。
「私は脳を改造しているのです。分かりやすく言うと、センサーが頭に入っている状態。半径10mほどは、全て瞬時に把握できるのです」
アーチェラが自分の頭を指でコンコンと叩いた。
「ですので、あだ名が『アラーム』。あなたが、このお店に入った時点から、何もかも分かっていましたよ」
チャツネは納得した。
(それで、ここに来るまでのカメラが全部オフってあったのか)
「他の者は全員、あなたを捜しに出払ってます。私は幸運でしたね。結果的には」
チャツネはレーザーガンを抜いた。
相手の右脚を狙って撃つ。
アーチェラが右手を横に振った。
アーチェラのブレスレットから、赤いビームが伸び、チャツネの撃ったレーザーを迎撃した。
お互いに相殺される。
ビームは、そのまま、ロープ状になって残った。
ビームウィップ。
扱いが難しい武器だ。
熟練者のムチは、今、アーチェラがやってのけたように、敵の銃撃すら叩き落とす。
さらにアーチェラは脳内のセンサーとリンクすることで、絶対の防御を成立させていた。
チャツネが、もう一発、撃った。
アーチェラのムチが迎え撃つ。
「あはは、ムダですよ」




