41
そいつをマーシュと同じように締めあげて、訊きだす寸法だ。
「じいちゃん、行くよ」
チャツネが裏口の扉を、そっと開けた。
見張りも居ない。
見たところ、監視カメラも作動していない。
(ん?)
一抹の不安が、チャツネの頭をよぎった。
何もヘマはしていないはず。
『バイパー』たちはチャツネの逆襲は想定していないだろう。
だが、何か嫌な予感が消えない。
チャツネは3個のサポートポッドのうちの2個を、入口に残した。
殺し屋としての、チャツネの本能的な勘だった。
チャツネはガツビィを引っ張って、先へと進んだ。
店内には誰も居ない。
店は開いているのだが、人の気配がしない。
チャツネは地下への階段を見つけた。
廊下に点在する監視カメラは、ひとつも作動していない。
何かが、おかしい。
チャツネはガツビィと階段を降りた。
地下は仕切りが無く、広いスペースになっていた。
先行させたポッドのカメラが、1人の女を映しだす。
銀色のロングヘア。
アジア系のオリエンタルな顔立ちの美人だ。
タイトな服に身を包み、見事なプロポーションを披露している。
「ハーイ」
女がチャツネに指をヒラヒラさせて挨拶した。
にこやかな笑顔。
「初めまして、チャツネ・ブロウウィンさん」
芝居がかった、お辞儀をする。
「私は『アラーム』のアーチェラ」




