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マーシュの後ろからのレーザーが、右脚のふくらはぎを貫通した。
「ギャーッ!!」
「さー。何でかなー? 不思議でしょ? 分かるかなー?」とチャツネ。
マーシュには、まるでわけが分からなかった。
ただ、目の前に居る女が、自分が敵う相手ではないことだけは分かった。
「ほらほら」
チャツネは、おどけながら、さらに2発のレーザーを撃った。
全く別の角度から飛来するレーザーが、マーシュの両肩を破壊した。
これでもう、両手は使えなくなった。
「た、助けてくれ!」
マーシュは泣きだした。
こんなことは初めてだった。
自分はいつだって、狩る側だったのに。
「あー。助けて欲しい? うーん。そうだねー」
チャツネがマーシュの顔に自分の顔を近づけ、頷いた。
ホルスターにレーザーガンをしまう。
両手でマーシュの頭を掴んだ。
瞬間。
「甘えたこと言ってんじゃねぇーよっ!!」
チャツネの右ひざ蹴りがマーシュの顔面に、ぶち込まれた。
マーシュの前歯が2本、折れ飛ぶ。




