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チャツネとガツビィは、その中に居た。
ガツビィは、いつものようにボーッとした表情で、粗末なベッドの上に座り、両足をブラブラさせている。
チャツネはというと、小型ゴーグルは外し、タブレットの画面に映った情報屋マクスウェルと話をしていた。
「この鍵なんだけど」
チャツネが、倉庫で拾った鍵をマクスウェルに見せる。
マクスウェルは、アゴをかいた。
「この流れからいくと…そいつは『惑星爆弾』の起動キーだな。爆弾1個につき、3本のキーがある」
「起動キー? これが? レトロすぎやしませんか?」
チャツネが疑いの眼差しで鍵を見つめた。
「ハッキング対策だよ。乗っ取られて起爆でもさせられたら、大惨事だろ? まあ、3個共、爆弾奪われてりゃ、世話ないがな」
マクスウェルが笑った。
「それが無いと『惑星爆弾』は使えないってこった。お、それと『バイパー』の奴らが何故、爆弾を買おうとしてるのか分かったぜ」
マクスウェルが自慢気に言った。
「何で?」とチャツネ。
「奴らは、某大企業と裏で繋がってる。その企業が、ある星と星を宇宙航路で結びたい。ところが、その2つの星の間には、原始的な植物と動物しか居ない星があって…どうだ、ピンときたか?」
「来ない」
「お前はホントにピンと来ないな。『ピンとの神様』に見放されてるに違いない。ああ、そうに違いない」
「分かるように説明して」
「宇宙航路新設のために、その邪魔な星を正当な手続き無しで、ぶっ壊すんだよ。もちろん、そんな行為は『星域連合』が認めてない。条約違反だ。だが、『バイパー』は平気でやる。金儲けなら大喜びでやるってことさ」




