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追っ手の2台の片方が、あっという間に、チャツネたちのエアカーの横に追いついた。
『バイパー』車の助手席の男が銃を構える。
「じいちゃん、頭を下げて!!」
チャツネが叫ぶ。
「チャツネ、めしは?」
「いいから、首を引っ込めて!」
敵のサブマシンガンの銃撃が、チャツネたちの車の窓ガラスを粉々に砕け散らせた。
姿勢を低くしていたチャツネが、クレルラモア警察仕様のハンドガンで反撃する。
敵エアカーの助手席の男は、数発の弾丸を受け、動かなくなった。
「イエーイ!!」
喜ぶチャツネ。
仲間を失った『バイパー』の運転者は、今度はエアカーをチャツネたちの車体に、ぶつけてきた。
激しい衝撃に車体が、きしむ。
チャツネは運転者を倒そうとハンドガンを撃つが、何度も車体をぶつけられる振動で、狙いが定まらない。
自らのエアカーも運転しなければならないのだから、それも当然だった。
2台のエアカーは猛スピードのまま、急カーブに突入した。
「わわっ!!」




