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「チャツネさんと、おじいさんが逃げちゃうよ!」
「なにーーーっ!!」
ジローが叫ぶ。
「3000万クレジット!!」
「ボクに任せて」
モッキュがバックパックから、小型の銃を取り出した。
階下の2人に向けて、銃を発射する。
射出された弾丸はチャツネたちに当たる前に破裂し、そのまま消えた。
「何だ!今の?」とジロー。
「へへ」
モッキュが鼻をこする。
「拡散したナノマシンが、チャツネさんたちにくっついて、いつでも追跡できるようになったんだ。1週間くらいは機能するみたい」
「ええ?モッキュ、その銃って…もしかしたら…」
「うん。ドクター・メフィストの発明」
モッキュの答えで、ジローが眉間にシワを寄せた。
「やっぱり『マッド・メフィスト』か! あいつはヤバい!」
モッキュが腕時計型のモバイルをチェックする。
「大丈夫。ちゃんと反応してる。これで、どこへ逃げても分かるよ」
2人が話しているうちに、チャツネとガツビィはゴライオスの死角を移動し、窓から外へと逃げ出した。
ゴライオスは再びガトリングガンを警官たちに乱射して、その大半を戦闘不能に追い込んでいる。
「おらおら、もう終わりか!? お前ら、クソ弱いじゃねぇか!! これじゃあ、俺は欲求不満だぜ!!」
ゴライオスが笑う。




