2/68
2
チャツネは起き上がったことでバスタオルが緩んだ、そこそこの容量の胸元を締め直した。
ガツビィをにらむ。
「チャツネ!! めしは」
「じいちゃん!!」
3度目のガツビィの要求を、チャツネは遮った。
「ご飯はさっき、食べたでしょ! 昨日の『肉じゃが』の残り!」
「肉じゃが」とは、ブロウウィン家に代々伝えられた、とても古い料理の名称だ。
「ああ? 何だって?」
ガツビィが怪訝な顔をして、耳をチャツネに向ける。
「だ・か・ら!! ご飯はさっき、食べたでしょ!?」
ガツビィは頷き、チャツネに微笑みかけた。
「そいつは良かったな、チャツネ」
「じ、じいちゃん…」
チャツネが呆れる。
「最近、ますますひどくなってない?」
「ばあさんはどこだ?」
「ばあちゃんは天国だよ。父さんと母さんもいっしょに居る」
「チャツネ!! めしはまだか!?」
「じいちゃん!!」
チャツネは諦めて、テーブルの上のタブレットを手に取った。