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チャツネが逮捕されたとき、ゴーグルは没収されなかった。
首に、ケーブルで繋がっていたためだ。
もちろん、刑務所に移送となれば、全てのものは外され、厳正なチェックがなされるはずだが、この段階では、そのまま留置されていた。
チャツネは倉庫街から、この警察署まで、透明状態のサポートポッドを追跡させている。
外で待機しているポッドを、いつでも呼び寄せることが出来た。
チャツネは、このポッドを利用して、何とか留置場から脱出しようと考えている。
「チャツネ」
ガツビィだ。
「何!? じいちゃん、いいかげんにしてよ!」
「おしっこ」
「もー!!」
チャツネは呆れた。
「すみませーん」
チャツネが警官を呼ぶ。
「じいちゃんがトイレに行きたいって」
警官の1人が、チャツネに近寄った。
「仕方ないな」
警官が苦笑する。
腰のホルスターに手をかけながら、留置場のドアを開けようとした、その瞬間。
ものすごい轟音が署内に響いた。




