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突然、拡声器を通じた男の声が響いた。
複数のサーチライトが、充満した煙を照らす。
「我々はグスターヴ軍だ! 大人しくしろ! 抵抗すれば攻撃する!」
(グスターヴ軍!?)
チャツネは慌てた。
「撃て! 逃げろ!」
ランスの声をきっかけに、取引側の男たちが、煙の外へと発砲した。
それに対して、あちこちから反撃が開始される。
辺りは、瞬く間に銃撃戦となった。
(マズい! 早くランスを仕留めないと!)
グスターヴ軍の出現に、背後を振り返っていたチャツネが視線を戻すと、すでにランスは倉庫の奥へと走りだしていた。
(しまった!)
チャツネは、元々ランスが居た位置まで走った。
煙幕が晴れ始める。
ここからは『惑星爆弾』絡みのグループと、何人居るか分からないグスターヴ軍との、さらに精度を高めた撃ち合いに発展するだろう。
(潮時かな…仕切り直しだね)
「じいちゃん、逃げるよ!」
ガツビィの手を引き、一歩踏み出したチャツネの足に、何かが当たり、カチャリと音をたてた。




