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ポッドたちのカメラがとらえた情報は、全てチャツネのゴーグルに集約される。
しばらくして、ひとつのポッドが怪しい男たちを発見した。
2mほどの高さの小型コンテナを10人の男が運んでいる。
ポッドのカメラをズームして、1人1人の顔をデータベースと照合する。
「ビンゴッ!」
チャツネが歓声をあげ、慌てて自分の口を塞いだ。
「じいちゃん、ランスが居たよ」
隣のガツビィに声をかけた。
「何じゃ、めしか?」
ガツビィが答える。
「もう…」
チャツネが、ため息をついた。
「ランスを仕留められる位置まで行くよ」
チャツネはガツビィの手を取ると、移動を開始した。
ランスと9人の男たちの前に、こちらも10人の男たちが現れた。
ランスと新手の男たちの1人が、両手を広げて抱き合う。
「『バイパー』の奴らかな? ホントに、こんなところで『惑星爆弾』の取引するんだ。超大胆じゃん」
チャツネが呟く。
ブロウウィン家の2人は、取引する男たちから、10m離れた物陰に陣取った。
ランスと『バイパー』の男は、何やら談笑している。
「始めよっか、じいちゃん」
チャツネの作戦はこうだ。
さすがに20人の敵に突撃をかけるのは無謀すぎる。
あっという間にブロウウィン家は、この世から居なくなる。
まずはサポートポッドから煙幕を噴射する。




