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嫌われ鬼娘と彼女に恋した─僕と己─  作者: ラーテル弓倉
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鬼娘7 なゐふる

アドルフが嬉しそうにしている。


おそらく、きっとキラが自分が渡した櫛を使い続けていたことや長かった夏休みが終わってまた毎日のようにお互い会えるからでしょうね。

昨日は何て話したのかしら。とーっても気になるけど聞くのはゲスだからやめておこう。


「『嬉しい』って顔に書いてあるわよ。」

「あまりからかわないでよ!」

照れてる照れてる。とは言え可愛らしくてからかっちゃう。聞かない代わりにそのくらい良いでしょう。

「あとはせっかく夏休みの終わったのに明日は日曜日だから会えないじゃないかぁ…って感じかな?」

「そうやってからかわないでよ。」

「二人を見ていて微笑(ほほえ)ましいのよ♪」

「そうなの?」


ホントにステキ。キラがあんなにも変わるだなんて、アドルフの人柄のおかげかしらね。これからも近くで二人を見ていたいわ。


ゴォーーーー

どこからか凄い音が迫ってくる。?と感じた瞬間、一気に世界が揺れだした。


「きゃあ!」

「えっ?」

「地震よ地震!独逸(ドイツ)でも地震くらいあったでしょ?…って、(これ)のは大きいわ!」


とてもじゃないけど立ってられない。

私は思わず両腕を地面についた。アドルフが私を守ろうとしたのか、体を支えられずに倒れたのがこの場所だったのかは分からない。結果、横から私の体を覆い被さる様にして護ってくれる体勢になった。


ガタガタガタガタがタガタガタガタガタガタガタガタガガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ…


目を塞いでいたけど近くの瓦が落ちる音や近くの家の食器とかが落ちて割れる音、木材なんかが折れたり、裂ける音、叫び声、大きいものが沢山倒れた音などが聞こえてくる。




…一分くらい経ったかしら。

「やんだかなぁ?」

アドルフの声に目を開けた。

「…地割れが起きてる。」

自分の頭があった20センチくらいの位置に地割れがあって小さい子供と同じくらいの深さがあった。

地割れからこっちと向こうで高さがひざ上くらいに違っていた。

周りを見渡すと殆んどの家がぺっしゃんこだったり半分崩れていた。


私たちは幅の広い道の真ん中を歩いていたのと隣にあった家は半壊だったお陰で無事だったみたい。

近くに落ちて割れた瓦が何枚もあった。



前を歩いてた低学年の女の子が腕を抑えて泣いている。どうやら落ちた瓦が割れて当たったのだろう。

流れ出る鮮血に少し興奮を覚えてしまうけど、今、それを優先するほどの私には野生は無いらしい。

「怖かったね、大丈夫?」

アタシは気がついたらその子にかけよっていた。

切れ長の目、白い肌と髪の毛、この尻尾と耳の形は白狐に間違いないだろう。たまに見かけてはいた()だったけどこんなに近くで見るのは初めてで、つい魅入ってしまった。



「助けて」

「おにいちゃんー」

「だれか手を貸してくれ!」

「うわーん、うわーん」

…色んなところから助けを求める声が聞こえてくる。それに冷静さを取り戻した。

少なくとも建物の中にいたら無事じゃすまなかったみたい。こーゆー時の小さい子の声は心がいたい。



アドルフの方を見ると踵を返して先来た道を全力で戻っていた。



「ちょ、ちょっと、まちなさいよ、ねぇ!!」

このままアドルフはキラが心配で敷地の中に入ってしまうんだろう。早く追いかけるべきなんだろうけどアタシは目の前の泣いてる女の子をそのままにしておくことができなかった。

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