表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嫌われ鬼娘と彼女に恋した─僕と己─  作者: ラーテル 弓倉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/59

牢の中2 換骨奪胎

筆子は女狐から完全に縁を切りたかったらしい。


鎮夫となったお姉さまに会うまでは、今回、筆子は女狐から逃げ切れたと思っていたそうだ。どうやって逃げようかと悩んでいたら、貴羅を傷付けることを条件に縁を切ることを提案をされた。



筆子は地震のとき、落ちてきた瓦で腕をすっぱり切って驚く程血が出て、子供の体を使ってたからなのか色々と考え方や仕草が幼くなってしまい、自分から出た血を見て大泣きしてしまったらしい。


近くにいた祢呼は少年が貴羅の元へ行くのを止めたかったが、すぐ近くにいた怪我をした小さな女子をそのままにしておくことが出来なかった。


家まで送り届けて家の扉を開けようか、声を出そうか迷っていたところに墨夫が帰ってきてそのまま引き渡したのでこの時に扉の中を祢呼は見ていない。


その後、すぐに屋敷を訪れた祢呼からあの女狐の嫌な空気感を感じ取った。今まで塀の外から知っていたが、あんなものは(まと)っては無かった。


だから陸から少年の体を託されたときに、真っ先に(おれ)は祢呼と接触を測ったのだ。

警戒されている以上、あれこれ聞くわけにもいかず、どうしようかと考えるまもなく、地震の後の大火事から祢呼の家族を遠ざけないといけなく、そうしているうちに嫌な感じは消えてしまい、卯の花と会う頃にはすったりただの猫娘だった。


こうなったら祢呼に震災の日に貴羅と別れてから、少年が死んで戻るまでの間に何があったかを聞くしか無い。

とは言え祢呼の家が分からず困っていると学校が再開した。教室に入るやいなや嫌な気配がして、それは墨夫からだった。



最初は彼が女狐本人だと思って警戒していたが、それにしては嫌な感じが弱い。更に、朝と比べて帰る頃ではそれが薄れているのだ。それが毎日起こる。きっと墨夫の周りに女狐がいるで間違えないだろう。


さぐりを入れようにも、元々墨夫が少年と中が良かったわけでは無いので下手な接触の仕方は出来ないし、相手に気付かれて手を打たれたら終わりだ。




年が明けると俺が(ろく)に頼んでいた大量の資料が貴羅を通して祢呼にわたされた。

それを墨夫が祢呼の家まで運んでいた様で、祢呼と貴羅が揉め出したら墨夫が割って入りだした。




「バカ」




ただでさえ、女狐の関係者かもしれないと疑惑の目を向けていたところに貴羅を侮辱したのだ。貴羅に向けたその言葉に、己は気づいたら墨夫を投げ飛ばしていた。


貴羅を思ってしたことだったが、それに対して貴羅は墨夫に謝る様に言った。



「貴羅が己を嫌っている」ことを改めて示された気がした。貴羅との修復は不可能だろう。


だがその方が良い。墨夫のことは祢呼に探りを入れてもらうわけにもいかないし、本当に墨夫の周りに女狐がいるのならこのままふたりとは距離を取ったほうが良い。



彼に近づくのは少年らしいやり方が良いだろう。貴羅と仲良くなるまでの記憶を辿った。そのほとんどが少年の方から彼女に友好的に話しかけていたので昼食の時間を狙って墨夫に話しかけることにした。その時間にした一番の理由は彼の弁当が目的だった。


西洋人は日常的に肉を食べる。日本に来てまともに食べられて無いからなのか、狼になるからなのかは分からない。そんな中で毎日毎日、彼の弁当に入っている肉が欲しくて欲しくてたまらなかったのだ。

昨日の今日で謝ると言う口実で、墨夫と一緒に食事を取ることが出来た。


それとなく家族のことを聞くと妹がいると言う。狐…女…これは怪しいと感じざるをえない。

そして肉を貰うことも出来た。これらは墨夫の兄が持って帰るそうだ。あの時は喜々として口に運んだが何の肉か分かってからは特別な感情は消えて、他と食べ物と同じ、体のために食べないといけな食べ物の一つとなった。


それも墨夫の兄が撃たれたことでとぎれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ