表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嫌われ鬼娘と彼女に恋した─僕と己─  作者: ラーテル弓倉
4/32

鬼娘3 あっぱっぱー

アタシの家は学校から遠い方で、橋を渡って住宅地を通り、商店街の手前あたりでアドルフと合流したり、しなかったりで…その後、学校の近くの貴羅の家の前を通って登校するんだけど、今朝はアドルフと一緒だった。アドルフはキラの家を通り過ぎるとソワソワしだした。


「昨日のクシ、使ってくれたかなぁ?」

「わからないわよ。」


昨日、キラがアタシに髪の結い方を聞いたことは黙っておこう。物心ついた頃からキラと遊んだりしてるけど、正直、未だにあの()の行動って読めないのよね。下手に期待させるのもなんか悪いし、だからといってキラが悪いわけじゃない。



「おはよう。」

そうこうしていると後ろからキラが、声をかけてきた。

「おはよ…」

返事をしながらアドルフが振り替えると髪を後ろにひとつの三つ編みで束ねてワンピース(アッパッパー)を着たキラが立っていた。(ちなみに足は昨日までと同じ下駄のままである。)


「洋服持ってたんだ!かわいい♪」

「前にお兄ちゃんからもらってたのを引っ張り出した。朝に見せたら今度これに似合う靴を持って来てくれるって。」


アドルフはうれしいと言うよりも見蕩れた表情でキラを見ていた。彼女の洋装を見るのはアタシも初めてである。


「日直だから先に行くから。」

「りょうかーい、またあとでね。」

しゃべれなくなってるアドルフに代わってアタシが応えてあげた。


「フフ、あげた甲斐があったじゃない!」

キラが小さくなったのを確認してからアドルフに声をかけた。

「まぁすぐに夏休み入っちゃうけどねー♪」

「そうだね。」


「似合ってたわねー、ワンピース(アッパッパー)。昨日あのあと私に髪の結い方を教えてって言ってきたのよ。容姿のことは周りから色々言われてたけど」

私も嬉しかったのか、昨日のことをアドルフに話さずにはいられなかったし、アドルフも食いつくように聞いていた。

「キラのこと好きなの?」

「!!!」

なんとなく聞いてみたつもりだったけどアドルフはひどく動揺してしまった。

「誰にも言わないわよ。」

「もうやめてよ。」

「ごめんごめん、でも使ってもらえて良かったね。」

「う、うん…。」

なんだか心配そうにアドルフがアタシを見ている。

「言わないわよ。」

アドルフは安心したような表情をした。

「けど、見てれば分かるわよ。」

安心した分、かなり動揺してしまっている。

うん、カワイイ子だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ