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嫌われ鬼娘と彼女に恋した─僕と己─  作者: ラーテル 弓倉


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鬼と猫娘1 おじさん

あの時、アドルフを止めればよかった。その方がふでこちゃんも石見に直ぐ会えたかもしれないし、あの時の選択を間違えたんじゃないかと自分を責めながらアタシは今来た道を戻っている。


助けを求める声、家財道具を運び出す人、呆然とする人、泣く子供、怪我人、死体。なにかが燃えている臭い。いろんなものを通りすぎたけど何も気に止めるだけの気持ちの余裕がなかった。



「ネコちゃん。」

後ろから声をかけられたので振り替えるとキラのお父さんがいた。

「…こんにちは。」

さっきの今だ、あの家の人と関わりたくない。生返事をしてそのまま歩こうとしたら、

「待て!」

と、アタシの左手を強く握ってとめた。関わりたくないのに。すくなくとも今はやめてほしい。


「昼時の大地震で炊飯中で色んなところから失火した。風向きで人の手ではどうしようもない程の大火事になる。君の家も燃えるから家に戻るつもりなら必ず一時までに出る様に。そして今から俺が言う場所には行かないよう奈子さんに伝えて。」


そう言えば、おじさんはウチお父さんお母さんと知り合いだったや。

いくつかの地名を言うと解放してくれた。


たしかに昼時だったから大きな火事になるのはあり得る話だ。現に所々燃えている様だし家に戻ると弟とお母さんがいたのでおじさんから大きな火事になるから逃げるように言われたことを伝えた。


「どこに逃げればさえ言えば良いのに、それが出来ないところが陸(ろく)さんらしいわね。」

お母さんは呆れながらも少し笑ってる様だった。

とりあえず、お母さんと協力して貴重品や身の回り品を集めて外に出た。

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