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あたしは猫である。  作者: たかてぃん
9/9

エピローグ

 奇妙な夢から覚めて一ヶ月。通学路の途中で、あたしはブーちゃんのお世話をするため、あの公園に通うことが日課になっている。

大人びたメイクはやめ、年齢相応のナチュラルメイクに変えた。

ライブハウスには通っているが、夜遅くまで出歩くことはなくなった。

バスケ部をやめて空いた時間は、勉強やバイトに打ち込むことにした。

サトシ君のことは諦め、恋はまた次の機会を待つことにした。


 あたしはブーちゃんから言われた言葉の意味を何度も考えた。確かに、あたしは粗暴なところがある。背伸びしてしまうところがある。物事を最後までやり遂げず、投げ出してしまうところがある。

 だから、大人にならなくてはならない。自分はまだまだ子供だ。


 今日は梅雨にも関わらず、雲一つない晴天。登校中、あたしは今日もブーちゃんの身体を膝にのせ、頭を撫でて話しかける。


 「ブーちゃん。今日も暑いね。熱中症ならないように気をつけてね。じゃ、あたしは学校行くから。ブーちゃんも頑張ってね」


 ブーちゃんの顔を見ると、ブーちゃんは少し微笑んだような気がした。

ブーちゃんと別れて学校に向かう途中、胸の中で言葉を紡ぐ。

 

 ───あたしはネコである。名前はハルだ。

 自分は子供であることを自覚し、あたしは今日も大人への階段を上っていく。

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