異世界の情報
あれから数日たった。
皆が訓練に勤しんでいる間、俺は王城の書庫で本を読んでいた。力がないのなら知識を養おうと思ったからだ。
この世界のことを調べていてある程度わかってきた。
まず種族から。この世界にいる種族は全部で6種いる。
・人族
・魔族
・獣人族
・エルフ族
・ドワーフ族
・竜人族
この6種だ。
人族は俺達のことだ。ステータスは平凡としか言いようがない。
魔族の中にも色々な種類がいるが今は割愛。魔族は他の種族よりもステータスが高い。ただ、魔族同士で派閥争いがあるため、戦争が絶えず、数が少ない。
獣人族も様々な動物の獣人がいる。基本的に肉弾戦が得意だが動物の種類によってどのステータスが伸びやすいかが違う。
エルフ族は魔法や弓が得意で近接戦闘が苦手だ。とても長生きで、普通のエルフでも300年は生きていられる。だが子供ができにくい種族で数は少ない。ドワーフとは犬猿の仲でよく小競り合いが起きている。
ドワーフ族は鉱石や土が好きで物作りが得意で、とても力持ちだ。エルフ族とは仲が悪い。
竜人族はステータスはずば抜けているが。数が極めて少なく、絶滅寸前で物事に関心がない。
例外が魔物でどこにも属さない。
で、住んでいる場所だがそれぞれの大陸がある。
ひとつ中央にでかい大陸があり、それを囲むように5つの大陸がある。大きさは5つとも同じくらいだ。
中央にある大陸は物凄く魔物が強く、踏み入ったが最後、生きて帰れる確率は低い。
各大陸に定期的に船が出ていて輸入やら輸出をして貿易している。だが魔族大陸と中央大陸だけは近寄りすらしない。
少し昔話をしよう。
初代魔王とそれを倒した英雄達の話だ。
初代魔王グリバラン・ディーティエル
それを討伐した6人の英雄。
勇者 ダイキ・ハセガワ
大賢者 エルビス・カルザン
剣姫 シャルワナ・ミーレス
鍛冶師 グリント・シャーマン
聖女 アルメリア・シルシア・ラミリャ
神速 ミシーク・ベルフ
勇者は召喚された日本人だろうな。
聖女のアルメリアはシルシア王国の王女だったらしい。
俺達のいる国がフルク帝国で、その隣にシルシア王国がある。隣国だそうだ。
英雄達は皆人外の強さなのだそうだ。
神速 ミシーク・ベルフと聞いて懐かしいと思ったのは気のせいだろうか。
クラスの皆が俺を訓練に誘いに来るかと思ったが、そんなことはないようで少し凹んだ。
すれ違う度に睨んでくるが。
ちなみに俺以外の人は全員戦争に参加するようだ。
メイドさんに聞いた話によるともう皆10レベは超えたらしい。早すぎじゃないか?
それにパーティを組んでいるらしい。俺はパーティを組んでいないが、2週間後ぐらいにあるダンジョンの探索は強制参加だそうだ。
まったく、戦争に参加しないんだから行く必要ないでしょ。だが、本物の魔物を見てみたい。ダンジョンにも潜ってみたい。それだけで行く価値があるのではないか?
それで、俺達が行くダンジョンはここフルク帝国にあって今、俺達がいる帝都の中にある。帝都の中にあって大丈夫かと思ったがスタンピードが起きない限り、結界が張ってあるから問題ないようだ。じゃあスタンピードが起きないのかと調べたが、数百年に1回の頻度らしい。前回が80年程前だからまだ大丈夫だろう。
だが、1番心配なのは俺のステータスでダンジョンを生き抜けられるのか。あんな低いステータスだと自殺行為ではないのか?と調べてみた結果、フルクダンジョンは初心者用で魔物も弱いらしい。初心者用かよと思って他のダンジョンを調べたら6人の英雄の内の1人、グリント・シャーマンが作ったダンジョンがあった。人工ダンジョンはその1つしかないらしい。そもそもダンジョンは自然にできるもので作るなんてできないらしい。それを作ってしまうとはグリント氏は何てチートだったんだろう。
次は魔物について話そう。
魔物の繁殖は色んな種類がある。人間の様にヤル魔物や菌や胞子で増える魔物、自然に魔物がつくられたり、と様々なんだと。魔物を倒すと魔石を落とす。魔物もスキルを持っていて、魔物の種類や育ち方によってスキルが違う。
そんなことをしてる内に、ダンジョンに行く日になった。