表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秋雨  作者: 桜田環奈
28/38

駅まで


一人になると思わず、溜息が漏れた。


なんかもう、どうでもよくなっちゃいそうで、


ハハッと乾いた笑いさえ出た。


勢いよく歩いていた足を止めると、


ポロポロと次々に涙が溢れて、


それを拭うと、またゆっくり、歩き出した。



「はぁっ、駅まで、送るから。はぁはぁ…」



後ろから腕を掴まれて、そのまま手を握られる。


走ってきたんだろう、息が上がってた。


頷きもしなかったし、拒否もしなかった。


ただ、何も話さなかった。


私も。ヒラケイも。


一言も話さないまま駅までの道を歩く。


握られた手の指先はいつの間にか絡んでいた。


無言の時間は、お互いに何を思ったか、


駅に着くとヒラケイは気を付けて、と手を離した。



「うん。じゃぁね。」



改札を潜り、ホームへと歩みを進める。


一度も振り返らなかった。


指先にまだ感触を感じながら、


すぐにきた電車に飛び乗った。


ヒラケイが京太に何かを話すかもなんて、


考えられなかった。


いや、きっと何も話さない。


自分も、同じく、そうだった。


京太を裏切るなんて、私には絶対出来なかった。


そこにはまだちゃんと理性が残っていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ