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駅まで
一人になると思わず、溜息が漏れた。
なんかもう、どうでもよくなっちゃいそうで、
ハハッと乾いた笑いさえ出た。
勢いよく歩いていた足を止めると、
ポロポロと次々に涙が溢れて、
それを拭うと、またゆっくり、歩き出した。
「はぁっ、駅まで、送るから。はぁはぁ…」
後ろから腕を掴まれて、そのまま手を握られる。
走ってきたんだろう、息が上がってた。
頷きもしなかったし、拒否もしなかった。
ただ、何も話さなかった。
私も。ヒラケイも。
一言も話さないまま駅までの道を歩く。
握られた手の指先はいつの間にか絡んでいた。
無言の時間は、お互いに何を思ったか、
駅に着くとヒラケイは気を付けて、と手を離した。
「うん。じゃぁね。」
改札を潜り、ホームへと歩みを進める。
一度も振り返らなかった。
指先にまだ感触を感じながら、
すぐにきた電車に飛び乗った。
ヒラケイが京太に何かを話すかもなんて、
考えられなかった。
いや、きっと何も話さない。
自分も、同じく、そうだった。
京太を裏切るなんて、私には絶対出来なかった。
そこにはまだちゃんと理性が残っていた。




