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神様
「それにしてもビックリだよな!
慶太の会社、大元は結婚式場だったなんて。
こっちに来たのは新しく立ち上げるレストランの
広報関係の仕事だって言うし、
専門に行ってたとは聞いたものの、
まさか郁が担任だったなんて。」
京太はアハハと声をあげて笑った。
なんで?どうして気付かなかった?
気付くはずない、それにこんな事ありえない。
偶然なんてものはそうそう起きない。
そうでしょ、なのに、どうして。
神様がいるのならと思ったのは人生で二度目で、
そしてつくづく意地悪だと思った。
数年前より大人っぽくなった。
顔付きが、しっかりした。
それに、それと。
「先生は、元気だった?」
「うん、変わらないよ。
2年前にこっちに来て、今は先生っていうより、
就職の事とか、授業のカリキュラムとか、
そんな仕事をしてる。
ヒラケイ、じゃなくて。
慶太くんは、仕事はどう?」
「まぁ、頑張ってるよ。
先生にも頑張ってね、って言われたしね。」
駄目だ、直感的にそう思った。




