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変わる日常
高校を卒業後、ブライダルの専門学校に通い、
二十歳でウエディングプランナーの夢を叶えた。
はじめて就職した結婚式場は、
入社半年後にオープンを控えた新しい式場で、
恵まれた上司、先輩、同僚と一年半、邁進した。
先に転職した上司に誘われて、
系列会場をいくつも運営する
有名な式場の一つに転職。
すぐにオープンを控えた会場があるからと、
ほとんどの先輩がそっちに異動したのも手伝って
二十二歳でチーフプランナーに昇格、
めまぐるしい毎日を送っていた二十三歳。
仕事に追われて、息つく暇さえもなくして、
正確には息継ぎをしたらもう泳げなくなりそうで、
それが怖くて色んなものに目を瞑って、
気が付けばこんなにもギリギリだったなんて、
そう、気が付いたのは、辞めてからだった。
「卒業した専門学校の講師を引き受けてくれないか?」
と、お願いされてから、半年。
学生達と大して変わらない年齢。
詰め込んだ知識と経験。
どちらかというと、キツめのルックス。
まさか三年前に自分が見下ろしてた教壇に、
自分が立っているなんて想像もしていなかった。