1/38
降り止まない長い雨
初めて触れた指先は。
平凡でもその他大勢と変わらない毎日でも、
そこにはそれなりだった私の物語が存在する。
なのに、君と出逢ってから、
それは、まるで、いつまでも、
降っては止み、止んでは降り注ぐ。
長く、長く、降り止まない。
そう、まるで、秋雨のように。
その頃の私は、充実、やり甲斐、重圧、期待、
他の事に脇目も触れない程にいそがしい毎日で、
一つ階段を踏み外してしまうと、
全てが崩れて、真っ暗闇まで落ちてしまいそうで、
余計な事は考えないように、
ただただ目の前だけを見つめていた。