狐に包まれる
今年の冬は、寒い・・・
くそ・・・
稲荷神の夫妻や、その御曹司がリア充で、うらやましい・・・
大雪のため、会社が早く仕事じまいになり、電車がストップする前に帰宅できたのだが・・・
俺は一人だ。
「雪は、歌ほどやさしくはない・・・」
俺は、ひとりごちてコタツにつっぷした。
その時だった。
そこに、一人の少女がいた。
「そんなことありません。」
は?
「誰だ君は?」
ふわり・・・
空気のような毛の塊が・・・
狐の尻尾だコレ・・・
狐の耳が、頭から生えている。
ん?
「私ね・・・
あなたが、子供のころ助けてくれた狐なのね。」
なんとなくだがわかっていた。
「で、狐の神様かなんかか?」
「違うの。
「精霊」なの。」
「なんで、ウチに来た?」
気になるんだが。
「稲荷町の神様がね、「シングル撲滅キャンペーン」をやってるの!」
何!?
確かに、子狐を罠から外して助けた覚えがあるが。
「手始めにコレ、受け取ってください!」
少女は、ラッピングされた箱を俺に突き出した。
「雪の日に申し訳ないんですけど、受け取ってください!」
えっと・・・
ラッピングをほどいて、箱を開ける。
ハート型のチョコと、カードが・・・
『私も一緒に食べちゃってください!
雪狐。』
「おい・・・
熱烈なプロポーズだなおい・・・」
俺は、『雪狐』を抱きしめた。