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ぼっちだった俺が異世界に行ったらモテモテになった件について  作者: 紅魔郷の住人
第二章 異世界に行ったら沢山の出会い、関りがあった件について
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第八話 乙女の争奪戦

久々の投稿!女の子が増えたらいつかはこうなる⁉

八話スタートです!

 外は天気が良く、紅魔こうまのいた世界では絶好のお出かけ日和となるこの日。

 紅魔達が泊まっている宿の一室は嫌悪な空気に包まれていた。

 新しく仲間に加わったルシエラをテーブルを挟むようにユウナとローラが座る。三人ともとてもいい笑顔で見つめあう。目が全く笑ってないのは気のせいだと紅魔は自分に言い聞かせた。


「あ、あの~……。三人ともどうし……」

「コウマ君は少し黙っててください」

「そうですわ。これはこちらの問題ですので」

「はい……」


 目が全く笑ってない笑顔でそう言われた紅魔はただ従うしかなかった。逆らったらどうなるか分かったものではない。

 対するルシエラは怯える様子もなく二人を見つめ返している。


「それで……ルシエラ『様』は何故うちのコウマと行動を共にしているのです?」

「お父様……王の言いつけですよ、ユウナさん」

「……本当なのですか、コウマさん?」

「はい……」


 怖い怖い今すぐ逃げ出したい。

 紅魔は何度もそう思ったが、明らかに何故か怒ってる二人を相手して逃げ切れる自信はなかった。

 もししようものなら、即捕まって縛りつけられる。その証拠に、ローラの横に縄が用意されていた。

 そんな紅魔をよそに、ルシエラはユウナ達に爆弾発言をする。


「私はコウマ様と結婚するつもりで共に行動しております。これはお父様の命令などではなく、私個人の意思です」

「……そう……」

「……!」


 ルシエラの発現を聞いた二人は、なんとか平静を装っていた。なんとか。

 ユウナの手は震え、隣の弓矢に手がのびかけているし、ローラは手に持っているコップが嫌な音を立てていた。今にも握りつぶしそうな勢いで。


「あ、あの……。皆仲良く……」


 紅魔のその言葉が引き金となったのか、ローラのコップが音をたてて割れる。

 と同時に三人が自分の武器を構える。ユウナが狙撃手アーチャー、ローラが魔術師ウイッチに対し、ルシエラは二つの剣を使う双剣使ダブルセイバーという職業。因みに紅魔は仲間になってから知った。

 三人のにらみ合いが始まる。まさに一触即発。紅魔は三人のぶつかり合いで起こる被害を想像する。

(や、宿がなくなる……!)

 紅魔の顔がどんどん青ざめていく。宿屋の修繕費だけで馬鹿にならない程の値段になるはずだ。

 それだけは防がなくてはいけない。

 紅魔は必死に考えた。考えた末、ある提案を思いつく。


「そ、そうだ! クエストをして、成績の良さを競ったらどう⁉」

「……いいわね、それ」

「ええ。最高の提案ですわ」

「コウマ様がそう言うなら、私も参加します」


 紅魔は自分の提案に三人が乗ってくれ、安心する。この後、この自分の発現に後悔することになるとは知らずに……


 支度を整え、四人はギルドに向かう。勝負ならユウナ、ローラ、ルシエラの三人だけでよいはずなのだが……


「コウマ君も来てね?」

「え、どうしてです? 勝負なら三人だけでも……」

「いいから来・る・こ・と。いい?」

「は、はい」


 ユウナの強い何かに、紅魔は圧倒されまた言う事に従う。ユウナの後ろでは、ローラとルシエラがよくやったぞ、と言わんばかりの表情をしている。そして何故かガッツポーズまでし始めた。

 紅魔は何も理解できずに、ただ三人を見守っている。


「あ、あの~……。どんなクエストにしたの?」

「大丈夫ですよ、コウマさん」

「え? どういう意味……」

「コウマさんは見ているだけでいいですから」


 どうしよう、ローラの言っている事が理解できない。ただ見てろって……?

 それは紅魔のプライド的な物が許さなかった。自分も一緒に行くのだ、何もしないという訳にはいかない。

 それに自分は男の子。流石に男として女の子任せにする訳にはできなかった。


「い、いや、僕も手伝うよ。一応前衛職の剣士セイバーだし。それに女の子だけにやらす訳には……」

「コウマ君、大丈夫だから」

「で、でも……」

「だ・い・じょ・う・ぶ! それに、これは女の闘いだから」

「そうですよ、コウマ様。男は手だし無用の領域です」


 ユウナとルシエラの言葉に、再び何も言い返せなくなる紅魔。はっきり言って、どうすればいいのかさっぱりわからない。

 気付いた時には、クエストが決まっていて、その場所に向かっていた。

 移動中は流石に気を抜きたいのか、三人の雰囲気はさっきよりかは穏やか。それでも、何かきっかけがあればすぐにでも争いそうな空気ではあったが。

 紅魔は一つ、どうしても聞きたかったことを聞いてみることにした。

 ちょうど、完全に気が抜けてそうなユウナに。


「あ、あの……ユウナさん?」

「何? コウマ君」

「どうして僕もついて行かなくてはいけないのでしょうか……」

「だってコウマ君、目を離したら次々と女の子連れてるし……」

「え? 聞こえないのですが……」

「何でもない! コウマ君の馬鹿っ!」

「ええ⁉」


 ただ質問をしただけなのに、怒られた紅魔はその場に硬直する。そんな紅魔にお構いなしに、ユウナは女性陣の方へ行ってしまう。

 一人残された紅魔はただただ不思議でしかならない。


「り、理不尽だ……」


 誰か……。女性との接し方教えてください……

 誰もいない天に向かって願う紅魔。日本にいた頃はボッチだったため、そのあたりがよくわからない。女性とも接する機会が殆ど無いがため、である。


「せ、せめてこのクエストだけでも無事に終わらせたい……」


 いつもよりやる気になっている二人に加え、初めてあった時より頼もしく見えるルシエラをみて、紅魔はただただ無事成功を望むのだった……

いかがでしたか?次話も頑張って投稿しますので、新しくなった『セイブ・ザ・ワールド』と共によろしくお願いします!

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