表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっちだった俺が異世界に行ったらモテモテになった件について  作者: 紅魔郷の住人
第一章 異世界に行ったら苦労した件について
7/83

第六話 高難易度?少女を守りきれ!

超久しぶりの投稿です!読者の皆様、待たせてしまい申し訳ありませんでした。

第六話、スタートです!

 いつもは平和なレルミアの街。しかし、今の街はそのイメージから大きく離れていた。


「王女様を探せ! なるべく急ぐんだ!」

「はい!」


 この街の名物依頼とも言える王女を見つけ出すという緊急依頼。この依頼の期日はとても短く、期日が過ぎると王女は王宮に帰ってくる。

 そのため、王宮側もこれといった対策をせず、紅魔こうま達……依頼を受ける人間に任せっきりだった。

 では、何故こんなに慌てて捜索しているのか?その理由は簡単だ。王女が期日を過ぎても帰ってこなかったためである。


「くそ、まだ見つからないのか?!」

「も、申し訳ありません、隊長! この街にいる冒険者を総員出動させましたが、手がかりも掴めてなく……」


 因みに期日が過ぎてから数日が経過している。最初は街中だけ捜索していたが、日が経つにつれて捜索範囲が拡大していき、今は街の外までに広がっている。


「こんなことになるなんて……」

「思ってませんでした……」


 ちょうど緊急依頼が出た時期に来た紅魔、ユウナ、ローラの三人も捜索に協力していた。

 捜索範囲が広いため、三人で手分けして探すことになった。


「ユウナさんはどうでした……?」

「だめ。まったく情報なし。そっちは?」

「こちらも同じようなものです……」


 二人はお互いが得た……と言いにくい情報を伝え合う。

 同じような情報を聞いた二人は顔を見合わせてため息をつき、疲労の影響かその場にしゃがみ込んだ。


「はぁ~……。疲れた……」

「そうですね……。コウマさんの方はどうなったのでしょうか?」

「さぁね……」


 二人は曇った空を見上げる。その空模様はまるで、この先の未来を表しているかのようだった……。

 ……主に紅魔との関係だが。




  一方、紅魔は一人街中を駆け回っていた。彼は主に、人目の付かなそうな路地や小道、裏道などを見て回った。

 大通りは沢山の冒険者が捜索していたためで、紅魔が最初から立てた作戦ではないが、こちらの方が遥かに都合がよかった。


「大通りと裏路地を同時に見れるのはちょうどいいけど……。流石にきついぞ、これ……」


 時刻は既に夕方。朝からずっと探していた紅魔に、体力の限界が訪れる。

 今日はもう諦めて帰ろう、そう思った時だった。紅魔の視界の端に、何かを囲む様な感じの男数名がみえた。


「なにをやっているんだ? あれ……」


 なるべく気付かれず、話し声が聞こえる位置に紅魔は移動する。

 この光景どっかで見た事あるような……


「そう、まるで……」

「オラ、嬢ちゃん。ぶつかっといてそれはないだろう?」

「だから、何回も謝っているではないですか!」

「……やっぱり」


 紅魔の予想は的中。ドラマやアニメによくある、少しぶつかっただけで絡んでくる奴等のようだった。

 こういうのはできるだけ関わりたくない。しかし、見捨てる訳にもいかない……

 そしてなにより、顔を覚えられるのか面倒だった。この手の奴等は必ず仕返しに来る。有名な、今回は兄貴(親分)を連れてきたぜ! とかなんとか言って。


「何かいいもの……。ん?これは……」


 紅魔は側に何かを見つけ、拾ってみる。それがなんなのか理解した瞬間、紅魔は襲われている子を助け出すアイデアが浮かんだ。


「謝って済んだら憲兵なんて要らねぇよ!」

「そのフード取れやぁ!」

「きゃっ?!」


 男性の一人が少女のフードを乱暴に取る。そこから現れたのは、長い薄い桃色の髪の毛。顔も可愛い、絵に書いた美少女がいた。


「お? 嬢ちゃん、可愛いじゃねぇか?」

「なぁ、みんなで遊ぼうぜ?」

「いいねぇ!」

「あ、遊びって……?」

「決まってるだろ? 大人の遊びだよ!」

「……!」


 その言葉を機に、紅魔は走り出した。勢いに任せ、男一人に飛び膝蹴りをお見舞いする。紅魔の体格は普通の人より良いので、直撃した男性は地面を転がりながら壁に激突。そのまま動かなくなった。


「な……?! 俺の仲間にいきなりなにしやがる!」

「通りすがったら、少女を襲っている変態を見かけてね……。今にも手を出しそうだったから守っただけさ」

「なんだと?! 貴様、一体何もんだ!」

「たがら、さっきも言っただろう? 通りすがっただけの……旅人だと」

「ふざけんな! だったらまずそのお面をはずせぇ!」


 紅魔がさっき見つけたもの。それはきっとお祭りなどに使われるお面だった。

 そして、普段は人見知り体質気味なのに、紅魔は何故か落ち着いていた。 いつもみたいに敬語で話していない。

 男性が二人がかりで襲ってくる。日頃、魔物を相手にし、レベルもそれなりの紅魔にとって、避けることは簡単だった。


「くそ! こいつ、全部避けやがって……!」

「なんでかすりもしねぇんだ?!」

「……これ以上君達に怪我を負わしたくない。実力の差も実感しただろう? 逃げる事をおすすめするよ」

「ちっ……!」

「お、覚えてろよ!」


 紅魔の言葉に、男性達は素直に従った。気絶した男性を抱え、走り出す。

 その背中が完全に見えなくなったのを確認してから、紅魔は被っていたお面を外した。


「あ、あの……。ありがとうございます……」

「いえいえ。たまたま見かけただけです」


 紅魔は少女を不安にさせないように笑顔で返す。それを見た少女の表情が少し明るくなった。と紅魔は感じる。


「本当にありがとうございました……。では私はこれで……」

「どこかにいくのですか?」

「はい……。実は少し逃げ回っておりまして……」

「逃げ回る?」

「はい……。あ、決してお尋ね者ではありません!」

「大丈夫ですよ。そうおもってませんから」


 ……不安だ。何故か知らないけど、このまま一人で行かせると後悔するというか、まずい気がする。

 紅魔は少し考えた。もし、次このような事が起こったら。今回は偶然自分が助けたから良かったものの、次も誰かが来る可能性はない。

 なら、答えは一つ。


「あの……。よかったら僕も一緒に行動しましょうか?」

「え……?」

「またこの様な事があったら、僕が守りますから!」

「いいのですか?」

「構いませんよ」


 本当はただ目を離したら危ない予感がしただけなのだが。あえて本音は言わない事にした。

 ある意味、難易度が高い(?)紅魔の護衛が始まった……


いかがでしたか?あと2話、もしくは次の話で1章が完結(予定)!

次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ