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ぼっちだった俺が異世界に行ったらモテモテになった件について  作者: 紅魔郷の住人
第一章 異世界に行ったら苦労した件について
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第二話 異世界で初バトル、初仲間

お待たせしました!

……の前に、明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!

 異世界で会員登録を終えた紅魔こうまは、自分に何かと教えてくれたユウナに報告する事にした。


「本当⁉ 能力検査で登録できたの⁉ 凄い!」


 彼女は凄い良い笑顔で紅魔の登録を祝福。紅魔にとっても嬉しかった。

 彼の想定内の反応と同じものであったが。


「この後はどうすれば……」

「うーんとね……まずは職業、自分の役職を決めないといけなんだ」

「役職?」

「そう! 例えば……狙撃手アーチャーとか、剣士セイバーとか!」


 そう言いながらユウナは紅魔に紙を渡す。そこには役職の一覧、使えるスキル、初期ステータスなどが分かりやすく書かれてあった。


「この上級職ってのは?」

「それはね、沢山経験値とか、スキルとかを得るとなれるんだ!」

「ふぅ~ん……」


 折角異世界に来たからなってみるのもいいかな……と紅魔は考える。

 そんな事を考えていると、ギルドに泥だらけのパーティが入ってくる。その人達の表情はとても輝いていた。

 まるで、依頼に何かいい意味のアクシデントがあったかのように。


「お疲れさまです! 何かあったんですか?」

「ああ! 経験値を沢山落とすモンスターの群れに遭遇したからな。おかげでレベルが十以上もあがったぜ」

「それは良かったですね!」


 なるほど、成功したらああなるのか。

 紅魔はその光景をずっと見ていた。成功例は見てマネする、彼の変な癖の一つである。


「それで、ユウナさん。次には……」


 紅魔はじっくり観察した後、もう一度ユウナに話を振る。

 が、彼は彼女を見た時次の言葉がまったく出てこなかった。ユウナは成功したパーティを見る事なく、明後日の方向をずっと見ている。


「あ、あの~……ユウナさん? どうしてこっちを見ない……」

「お、『ボッチのユウナ』じゃねえか! あれから仲間は見つかったのか?」


 先程のパーティの男性メンバーの発言に、ユウナの表情が曇る。

 その男性に悪気はないようだが、ユウナは今にも泣きそうだった。


「まだ……だけど……」

「そうか? ……あ、もしかして勧誘中だったか?」

「無理よ。その子超弱い狙撃手アーチャーだし。誰も組んでくれないでしょ」

「やーい! 一生独り身の残念子ちゃ~ん!」

「「ぎゃははははははははははははは!」」


 パーティの女性の一人がからかうと、後に続き他の人がからかいだす。現代的に言うといじめに等しい。

 そう感じた紅魔は、気付いた時にはユウナの前に立っていた。

(あれ? なんで俺こんな事してんだ?)

 理由は分からない。だが、自分の中にある『なにか』が自分を動かしている。


「……悪いけど、ユウナはもう一人じゃない」

「は? お前正気か? このユウナは弱小なんだぞ。そんな奴と組んだって……」

「んなもん関係あるか。俺は誰がなんと言おうとこの女の子と組むぞ。……いいよな、ユウナ」

「は、はい!」

「そういう訳だから。じゃあな」


 そう言うと紅魔はユウナの手を引き歩いて行った。その姿はまるでかっこいい男性そのもの。

(や、やばい……! 何てことを口走ったんだ俺……!)

 内心は焦りまくっていたが。

 ギルドを出て、なるべく人通りがない所へ行く。


「あ、あの!」

「は、はい! なんでしょうか、ユウナさん!」

「ユウナでいいです……。その……本当にパーティを組んでくれるんですか?」

「もちろんだ。ああいったからじゃない。本心からそう思っている。その……これからよろしくお願いします?」

「……! こちらこそよろしくお願いします!」


 ユウナはとてもいい笑顔で紅魔にそう言った。その笑顔を見て、紅魔は自分の選択が間違ってなかったことを実感する。

(父さん、母さん。俺、この世界なら何とかやって行けそうです……!)

 別の世界にいる両親に向かって、何かを決意しながら。


「さ! 早速クエスト受けに行こ! コウマ君!」

「え、ちょっ……まっ……」


 無理やり連れていかれる紅魔は、若干の不安をこの時感じた……



「さ~! 張り切っていくよ!」

「そ、そうだな……」


 二人は今森の中にいる。中と言っても入口から遠くは無い。


「ゴブリン五匹討伐……簡易クエストの一つね」

「そうなんだ」

「うん。二人なら楽勝だよ! ……本当に剣士セイバーでよかったの?」

「ああ。ユウナは後方向きの職種だし。前衛職がいたほうがいいって紙に書いてあったしさ」


 クエストを受ける前、紅魔は職種を選択した。能力検査を通ったので上級職になれるかと思ったが、現実はそううまくいかないらしい。最初は基本職と言われ、前衛を選択。

 次に武器を買った。お金を持ってなかったが、ユウナが何故か払ってくれた。勿論安物の剣。

 奢りだから高い剣を買う程、紅魔はクズではない。


「っと……来たみたいだ。どうすればいい?」

「とりあえず攻撃して! 背後を取られたりしたら援護するから!」

「分かった!」


 紅魔はユウナに言われた通りに攻撃してみる。運動は比較的できる方なので、剣を振るっても動きに不自然さはない。

 来たのはニ匹。紅魔は剣を一撃、二撃、三撃と当てていく。


「いったいいつになったら倒れるんだ……⁉」

「私たちレベル低いから……ちょっと苦労するかも!」

「くっ……! それでもやってやる!」


 そのまま何撃もゴブリンに当てていく。十数撃目で、一体のゴブリンが倒れる。


「はぁ……はぁ……。あれ? あともう一匹は?」

「あ、コウマ君! 危ない!」


 紅魔の背後に回ったゴブリンを、ユウナが弓で射落とす。ニ匹のゴブリンは昇天するかのように消えた。


「あ、ありがとう。ナイスアシスト」

「えへへ……。あと三匹だよ! 頑張ろう!」


 ニ匹倒すのに時間があまりかからなかったため、早く終わると思ってた。が、ゴブリンを探すのに時間がかかり、クエストの五匹倒すころにはすでに夕方。

 二人は疲れたのかその場に座り込む。


「お、お疲れ~……。意外と大変だったね……」

「あ、ああ……」

「でも、今のでレベルが四まで上がったよ。やったね!」


 紅魔も自分の会員カードを出す。登録した時に色々と教わったので、何が書いてあるのかはわかる。

 自分のステータス欄を見ると、ユウナと同じ様にレベルが四まで上がっていた。


「さ、帰ろう! 報告しなきゃ!」

「そうだな……」


 二人が立ち上がろうとした時、後方から地響きが聞こえる。


「「……は?」」


 不思議に思って振り返ると、そこにはゴブリンがいた。体格が今までのと比べものにならないぐらいの。


「嘘……。キングゴブリン……? なんでこんな場所に……」

「キングゴブリン?」

「……今の私たちだと、相手にならないモンスター……」

「お、おい……まじかよ……⁉」


 紅魔はただ固まるしかなかった。横で同じようにしているユウナのように……

いかがでしたか?

今後ともよろしくお願いします!

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