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ぼっちだった俺が異世界に行ったらモテモテになった件について  作者: 紅魔郷の住人
第二章 異世界に行ったら沢山の出会い、関りがあった件について
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第十四話 祝杯。そして一時の休憩

大きなイベントが終わった後って、なんかパーッとしませんか?

例えば、大会で優勝したり、会社で企画が通ったりした時に……。

それは、異世界でも同じです!(すみません、全部ではありません……)

 ギガント・ケタロス討伐から一夜が明けた。

 本来、こういう大討伐の後は宴会が開かれるのだが、冒険者達の極度の疲労と時刻が夕方を過ぎていたために今日に延期。

 だから今、彼らは元気一杯な状態で宴会を行っている。


「……コウマ様は目覚めましたか?」

「ううん。まだ起きてないみたい。それより、ルシエラはいかなくていいの?」

「まだ始まったばかりですし。どうせなら、全員で行きたいかなと思いまして」

「そっか……ローラは?」

「今起きたばかりのようで、慌てて準備しています」

「ふぅん……」


 あの時……コウマ君が剣技ソードスキルを使った後のこと。

 コウマ君はその場に崩れるように倒れて、動かなかった。

 死んだと思ったが、魔力切れで、体が限界を超え意識を失っただけらしい。二、三日したら目を覚ますだろうと医者が私達に言ってくれた。

 どうして、こんなになるまでコウマ君は無茶をしたんだろう……。命があってこその冒険者なのに。

 私達の為に、皆の為に自分の命を削り大きなものを守った彼を、私は誰がなんと言おうと英雄だと思う。

 そうだ……私はこんなコウマ君を好きになったんだ。誰かのために頑張れる、優しいコウマ君を。

 起きたら、一緒に新しい街に行ったり、いろんなクエスト受けたりやりたい事沢山あるから……。

 待ってるね、コウマ君。



「お久しぶりですね、紅魔さん」

「……そうですね」


 目が覚めたら懐かしい……もとい、転生するきっかけとなる場所にいた。

 しかし、本当に懐かしいな……ここ。女神エルレシア様を見るのも久々。


「……で、なんでこんな所にいるんだ俺」

「私だけ、皆さんと違って敬語じゃないんですね」


 うるさい、どうでもいいんだよそこは!

 ここって確か死んだりしたら来るような場所だよな。という事は……。


「死んだのか、俺……」

「いえ、死んでませんよ~。あなたは生きてます」

「まじか⁈ それならなんで……」

「た・だ! 命が危ない状況でした。急に体の全魔力を失うと、あちらの世界では死ぬ可能性があるんですよ? 私が取り留めておかなければ死んでいたんですよ?」

「あ、ありがとうございます……。でも、なんでそんな事したんだよ。神様って普通下界に干渉しちゃいけないんじゃ……」

「うるさいですよ! あなたは感謝しておけばいいのです! それともう一つ!」

「こ、今度はなんだよ……」

「あなたの魔力の事です。あれを頻繁に使う事だけは避けて下さい」

「俺の魔力……? というとあれか? リベリオン何とかってやつ……」

「それです。その魔力、女神の私でも聞いたことがないのです。何かわかるまで使用を控えて下さい」


 んな勝手な事言われても……。まぁ、女神様が言うぐらいだ。素直に従っとこう。

 でも、俺は死んでなかったのか。よかったよかった。

 なんだが安心したら急に眠気が……。


「ふわあぁぁ……」

「時間切れみたいですね。では紅魔さん、頑張ってきてください。私も……」


 なんだ、何言ってるか聞こえねぇ……。

 エルレシアの言葉を聞き終える前に、紅魔の意識が切れた。




「らっしゃい! 今日は特別価格、大セール中だよ!」

「あ、おばちゃん。この店のおすすめ三人分お願い」

「あいよ! ちょっと待ってな、出すから!」


 ユウナ、ローラ、ルシエラの三人は盛り上がっている街に行き、適当な店で食事をとろうとしていた。

 どこもかしこも人だらけ。街を散策するにはもう少し時間を置いた方が良い。

 まぁ、三人とも今はそんな気分じゃなかったが。


「本当に知らないの、ルシエラ。あの剣技」

「はい。私は双剣士ダブルセイバーなので剣技を学習したのですが、【叛逆リベリオン】から始まる剣技は聞いた事がありません」

「となると、コウマさん専用の剣技となりますわね」

「そうなんですが……。問題はそこではないのです。新しい剣技が出た事が問題なのです」

「どういう事ですの?」

「今までの剣技も、誰かが身に着け、広まって来たものです。もし、帝国の研究機関の耳にでも入ったら大変な事に……」


 帝国、かぁ……。一度は行ってみたいけど、今あそこは物騒だという噂があるし……。そのうちでいいかな。

 今回、私なんの役にも立たなかったな。この三人の中では、私が一番コウマ君と一緒なのに。

 気づいたら、コウマ君にもこの二人にも追い抜かれてる。駄目だな、私。


「お待たせ! この店のおすすめ、若鳥の照り焼きセットだよ! たんと食べな!」


 めっちゃごっついの出て来た! 軽食にしようと思ってたのに!

 でも、今さら違いますなんて言えない。この女将さんにも失礼だし。


「おや? あんた、悩みでも抱えているのかい?」

「へ? わ、私の事ですか?」

「そうだよ! いや、いいねぇ……悩める若き乙女というのは!」

「は、はぁ……」

「精一杯悩みな! じゃないと、あんたいつか後悔するよ。人間は考える事が出来るんだ。考えに考え抜いたら、きっとあんたが何をすればいいのか見えてくると思うよ」


 考えに考え抜いたら、か。確かに、反省ばかりしているよりかはましかも。

 この人、きっと沢山の経験を積んだんだろうな。


「所であんた知ってるかい? さっき、帝国の人間が来て一人の冒険者を連れて行ってみたいだよ」

「へ~……そんな事があったんですか」

「冒険者なら言う事聞かない奴が多いのに、素直に従ったらしいよ。近くで見た奴は寝てるように見えたらしいけど……」


 何だろう。とてつもなく嫌な予感がする。

 で、でも寝てる人なんて沢山いるからね! 決めつけは良くない!

 決めつけは……


「名前は確か、コウマ……」

「行くよ、ローラ、ルシエラ! おばちゃん、ご馳走様!」

「あいよ! またいつでもおいで!」


 コウマ君が危ない……!


いかかでしたか?

どうやら攫われてしまった紅魔君。彼の運命は⁈

次回、三章スタート!

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