プロローグ
初めての投稿で緊張しています。
不定期更新になりますが、どうか閲覧していただけるとありがたいです。
※17.12.15
文章一部改訂しました
みなさん、ぼっちというのをご存知だろうか。
正式名称『独りぼっち』
何をするにしても独り。
ラーメンも、ファミレスも、カラオケも、焼肉ですら独りで行ってしまえるという兵を総じて『ぼっち』と呼ぶ。
彼らはぼっちであるという自覚がない。
いや、あるにはあるのだろうが、ぼっちであることを悲観していない。
しているものがいるならば、それは本物のぼっちではない。
そう持論するものが日本のとある町にいた。
神奈川県横須賀市、○△区に住まいの稲妻地 裕さん21歳。
工場勤務の派遣社員。
こんな若さで派遣社員などをしているのには理由がある。
彼の人生が順調に進んでいたのであれば、中学を卒業して高校、大学へ進学し、やっと卒業して就職活動でサラリーマンになっているであろうところであっただろう。
しかし、彼は中学で学歴は止まっている。
実際、高校には進学したのだ。
ただし、通信制および単位制の高校で、単位は自分で管理しないと卒業できないものだ。
この単位制というものが厄介なもので、自分で受ける授業を全て選択し、自分で出席数を管理、課題を全て提出し、なおかつ試験に出席してしまえば単位習得は完了する。
しかし、その受ける科目選択や出席日数に毒があった。
当時の彼曰く、『学業よりもやってみたいことがあるんです』だった。
しかし、実際にやったのはバイト三昧の毎日だ。
本職である高校の勉強すら間々ならず、出席日数もおろそかになり、次第には時期が来てから出席日数やら課題の多さやらで悩まされる日々。
しかし、当時は同じ高校で切磋琢磨する友人がいた。
通信制、単位制の高校で友人ができるくらいには、ユタカのコミュニケーション能力は低いわけではなかった。
しかし、その友人は順調に高校を卒業し、大学に進学してしまう。
一方で、ユタカは高校を三年で卒業できずに留年。
それ以来、学校に行くのが億劫になり、だらだらと高校生活をしながらバイト三昧の日々を送って5年のユタカに、親からの渇が入る。
「高校生活をいつまで続ける気だ!」
その言葉の真意は、『さっさと卒業してしまえ』という意味だったのだろうが、ユタカは別の意味で捉える。
『さっさと高校を辞めて就職をしろ!』
その言葉に甘え、ユタカは高校をあっさりと自主退学してしまう。
バイトで社会経験があったユタカは、面接に関しての心得といったものを持っていた。
それを活用し、就職活動するが、学歴の低さに物を言わせて不採用になることが多かった。
フリーターとしてしばらく親元で生活していたが、大学に進学した友人の勧めで、派遣会社に所属することになる。
そこから仕事を斡旋してもらい、二年経った今現在に至るというわけだ。
さて、ここで皆さんに問いたい。
Q,彼はこの生活を憂れいているでしょうか。
通信制の高校でもあったため、友人が作りづらく、彼女もできづらい状況だ。
唯一の友人は大学を進学し、優良企業に就職が決まったばかりで忙しく、それなりに疎遠になっている。
つながりとしては仕事仲間の男の同僚のみ。
という点を踏まえてもらおう。
皆さん、答えは出ただろうか。
答えは『否』だ。
なぜなら、彼には疎遠ではあっても友人はいるからだ。
仕事関係の人間関係であったとしても、それでも繋がりを持っているからだ。
彼女がいないことも憂れいてしまう原因にはならない。
むしろ彼女がいることって何か良いことがあるの?という男だ。
ここで最初の話に戻る。
『ぼっち』
彼はそれに当てはまるだろうか。
これは『合』である。
一人カラオケ、一人焼肉余裕の男が彼、稲妻地 裕である。
ならばなぜ彼はぼっちを憂れいていないでいれるか。
答えはぼっちこそ思考主義を掲げているからだ。
考えてみてもほしい。
彼女ができて、デートに行くとする。
そこで出費を強要されるのはほぼ男側のユタカだ。
無論割り勘にしてしまえばどうともない出費にはなるが、それでも男の吟持というものがユタカにですらある。
彼女が金欠というなら助けたいと思うだろうし、そうでなくても女性におごられるということに対して不満が出てくるのは必死であろう。
その上、仕事で疲れた体に鞭を打って彼女に構わなければならない。
しかも、もし趣味がパチンコや漫画に走る人ならばどういった目で見られるのだとうか。
セックス?
それって自慰で収めちゃ駄目?
最悪風俗にでも行ってしまえばそれで十分じゃない?(行ったことはないが)
むしろ彼女とすることで面倒が増えるだけだよ?(妊娠とか妊娠とか妊娠とかetc…)
たまに(二ヶ月に一回くらい)友人と会って吞みに行って、それ以外は一人で楽しむほうが彼の性に合っている。
一人カラオケのほうが気楽に歌えて、自分のペースで歌える。
一人焼肉のほうが出費を気にせずに自分の好む肉を好きなだけ焼けて、自分の肉を取られるようなこともない。
一人最高、一人万歳。
つまり、彼は生粋のぼっち人間であるということだ。
そんな彼がまさか、勇者として異世界に飛ばされるなんて想像ができただろうか…………。
・・・・・・台詞を入れる隙がなかった……っ(技術が足りないだけ
次回は普通に台詞あります。あるです。
同時に一話も投稿します。
そちらもよろしくお願いします。