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神様の独り言
「上手くいってますように……」
私は手を合わせて祈っていた。
――"転送"は、使用者からは成功を確認することができない。
だから、私には祈ることしかできなかった、というのもあった。
……封印され、それ以降、私は魔法を安定させることができなくなっていた。
それは、指定の無い召喚や転送、精度を必要としない攻撃魔法は今も可能であると同時に、その逆は確実にはできなくなってしまったことを示す。
でも、そんな自分を許す気はない。
自分の勝手で、心の弱さで、別の世界に生きる人を召喚してしまっているのだから。
――それでも、いつまでもこうして祈っている訳にもいかず、顔をあげる。
「もう一頑張り、ですね」
そして、呟く。
「ふぅーー……」
深く息を吐く。そして、右手に魔力を纏うように収束させていく。
そして、空間の端と思われる透明な壁に手を触れた。
「『空間断絶』!!」
空間のヒビがほんの僅かに大きくなるが、まだまだ壊れるには至らない。
空間の破壊はこれの繰り返し。
今度こそ、この空間から出るんだ。自由になるんだ――。