第98話 【二度目の従魔登録、クリスとのクエスト・1】
次の日、朝から学校も休みなのでクレナの従魔登録をしにギルドへと向かった。朝早い時間は、前日に酒場で酒を飲んでいない冒険者の人が集まり情報交換やクエストボードの前でクエスト確認をしている人で朝なのに賑っていた。
俺とクレナは、そんな冒険者の人達が並んでいる受付の列の最後尾に並び順番が来るのを待った。王都に着て数ヵ月が起ちその間俺は冒険者としても活動をしていたので王都の冒険者の人とも交友を深めていた。ある人は、俺の強さに興味を持ってどんな鍛錬を積んだのか聞いてきたり(これには、信仰すれば神様から恩恵が貰える。と言う風な事を言ってごまかしたりしていた。)俺をユニオンやパーティーに誘ってきたりする人も居た。流石にユニオンには入らなかったが、パーティーには一時的に入りパーティーメンバーに魔法を使う人が居れば教えたり、時にはダンジョンに潜っている間も美味しい料理が食べたいと言ったパーティーに調理の仕方を教えたりしていた。
これに関しては、ギルドで冒険者がダンジョンを潜っている途中で過度に肉だけと他に野菜や魚(魚は、生ではなく焼き魚としてだけ食されている)食べて栄養失調で倒れたりするのでどうにかならないかとギルド長から言われたが、流石の俺でもまだこの世界の常識に慣れていないので料理革命を起こしても何処かで問題が起こりそうなので野菜を少しでも取る様に指示を出しましょうとだけ言った
「次の方、どうぞ、ってレイ君久しぶり!最近ギルドに顔出してなかったけど、どうしたの?」
「ラフィさん、おはようございます。それと、俺学園に入ったので学校がある日は来れなかったんですよ」
「そう言えばそんなこと言ってたね。でも、今更じゃない?レイ君既に学校で習うような魔法の知識なんて既に極めてるでしょ?」
受付の女性ラフィ・レーティスさんは、そう俺に言ってきた。
「確かに、俺は魔法に関しては実戦で鍛えて来てますが知識としては平凡です。だから、その知識を鍛える為に学園に通う事にしたんです」
「流石最年少でBランクになった冒険者様が言うだけあるわね~、私なんて嫌々学園に通ってたのにレイ君は偉いね」
「偉くはありませんよ。やりたい事をやってるだけ何で」
そう俺が言うとラフィさんはまた感心していた。そして、そんなラフィさんに後ろから先輩受付嬢の人が「また、ラフィ話をしてサボってるわね」と言って来てラフィさんは直ぐに仕事モードに変わった。
「ごめんね。久しぶりだったから話が長引いちゃったね。今日は、何の御用で?」
「はい、新しい従魔登録をしに来ました。従魔は横に居る少女の姿をしたレッドワイバーンです」
俺がそう言うと、王都で仲良くなった冒険者の人が「レイ坊、またいい魔物捕まえて来たな~」やその仲間の人の魔物使いの人が「今度の従魔も人化出来んのかどんだけ従魔運あるんだよ…」と俺の方を羨ましそうに見て来た。確かに、人化出来る従魔等早々出会えるものではない(俺の場合6体中2体が人化できる従魔だが)
「分かりました。それでは、従魔登録の仕方は分かりますか?」
「あっ、はいマグラットで一度やったので大丈夫です」
俺は、そう言って従魔登録に必要な用紙に記入して行った。そして、必要事項を全て書いた俺はラフィさんに用紙を提出した。
「はい、それでは少しお時間が掛かりますので休憩スペースの方でお待ちください」
「分かりました。それじゃ、先輩たちも冒険頑張ってきてくださいね」
「おう、また帰ってきたらクッキーくれよ」
俺はそう言った先輩に「はい、また今度ギルドで催しでもと考えているのでぜひ参加してくださいね」と言って、先輩達を見送った。俺は、先輩を見送った後ラフィさんに言われた通り休憩スペースの方に移動してクレナと呼び出しが来るのを待つことにした。
「あれ?レイ君」
「んっ?おお、クリスどうしたんだ?」
「いや、休みだったからちょっとクエスト受けて魔法練習の序に小遣い稼ぎでもしようかなって考えてたんだ。そしたら、レイ君を見つけたんだよ。レイ君、今日は何か用事でも?」
「ああ、ちょっと新しい従魔が出来たから登録をしに来たんだよ。…そうだクリスこの後1人で行く予定だったのなら俺達も参加して良いか?」
「えっ?ああ、いいよ。レイ君が居れば魔法の練習も捗りそうだしね。でも、俺達って他にもう1人ってその横に居る女の子?」
「見た目は女の子だが中身はレッドワイバーンだからな俺の新しい従魔だよ」
「えぇッ!」
クリスは、俺がレッドワイバーンを従魔にしたことに驚いたのか、人化しているクレナに驚いたのかわからないがギルドに響くくらい叫んだ。その後、クリスは直ぐにギルドで大声を出したことを周りの人達に謝って俺の横の椅子に座った。