第95話 【新たな仲間】
エルダ達の所へ行った俺は、一旦集まって貰う事にした。拠点に居るメンバーは、俺・エルダ・ライ・ラル・ラルの親・ライの親・トレン・レントそして、何故か交戦時に上空から見ていたレッドワイバーンも拠点に来ていた。ラル達の親曰く、湿地帯でのボスクラスのワイバーンだが今回の交戦で数少ない仲間がみんなやられて1匹になったらしく今迄余り関係を持たなかったが流石に1人で生きて行くのには厳しい世界なので今回ボス位の2体が集まっているこの場に来たらしい。
「それじゃ、まず今後についてもう一度確かめる。エルダは、トレンとレント強化を頼む」
「分かりました。あっ、ご主人様よければ余っている魔石貰う事って出来ますか?」
「んっ?ああ、そうだなんじゃ今ある分全部渡しておくよ。王都に帰ったら俺も、ダンジョンに通うから溜まったら、渡しに来よう」
そう言って、俺はアイテムバッグから今迄ダンジョンでドロップして集めておいた数百個の魔石をエルダに袋に入れて渡した。
「ありがとうございます。これが、あれば強化もしやすいので」
「ああ、頼んだ。トレンとレントも頑張る様に」
俺がそう言うと、トレンとレントは根っこを出し2匹がパチッとハイタッチするようにして返事を返してきた。エルダ曰く、「頑張ります」と言ったらしい。
「そじゃ、次にライは今の魔法でも十分戦力になるがやはりスライムの下位種だ。これから先、強大な敵と戦う上で付いていけなくなると思う。出来れば、今回で進化してくれ」
「ぴ~ッ!」
ライが飛び跳ねながら鳴いた。エルダに訳して貰うと「頑張って、敵になめられない強いスライムになる」と言った。
「それと、ライには特別にリュアン様が指導してくれるとも言ってくれたから魔法の腕も上げてくるように」
「ぴッ!ぴ~!」
ライはの言葉をエルダに訳して貰うと「分かりました。神様から教えて貰う事は全部覚えてきます」と言ったらしい。
「最後にラル、ラルの場合魔法が使えない分動きで敵を翻弄してほしい。なので今回で今まで以上のスピードとパワーを身に着けるように頑張ってくれ」
「わうッ!」
ラルは俺の言葉に吠えて返事をした。エルダに訳して貰うと「ご主人様より速くなれるように頑張る」と言ったらしい。
「それじゃ、ラルとライの事頼みますね」
「ああ、イアラ様の使徒の願い。森の魔物として出来るだけ答えることにする。」
(はい、あの子を立派なスライムとして生まれ変わらせる為、私のすべてを力を使いやってみせます)
「ありがとう。この礼は、またいつか返す」
そう言った後、早速ラルとライは親に付いて行き森の中へ消えて行った。俺がこの森に来た時は、ここに来るように指示を出しておいたので次ぎ合う時はラル達の変わりように驚くだろうと思いながら見送った。
「さてと、それでレッドワイバーンさんは、これからどうするんですかね?」
「…グル」
魔物語訳担当のエルダに訳して貰うと、「仲間居なくなった。これから1人は辛い、だから貴方の従魔にしてくれないか」と言ったらしい
「ふむ、レッドワイバーンが従魔か…確かにワイバーンだったら今後戦力としては有難いが王都とかに行った時、その大きさだとな…」
「…【グルル】」
レッドワイバーンが何か唱えた瞬間、レッドワイバーンの体が縮んで行き光が収まるとそこには、赤い髪をした少女が立って居た。俺は、即座に今起こった事を理解しエルダが人化した時のスペアとして買っておいたワンピースを投げ渡しエルダに着させた。
「人化か、確かにそれなら大きさは大丈夫だな…よし、分かった。従魔になってもらうが今日合ったように、俺達は今後邪信教と戦っていくことになる。それでも、仲間になるか?」
俺がそう問いかけると、赤い髪をした少女はコクリと頷いた。俺は、それを見て少女に従魔魔法を掛け俺の従魔枠に新しくレッドワイバーンが追加された。
「それじゃ、後は名前だな…う~む、レッドワイバーンだろ。あっ、じゃあワイ…」
「ご主人様、この子は一応雌類なのでちゃんとした名前を付けてあげてくださいよ。」
「…わ、分かってるよ。俺だって、これまで5体の名前を付けて来たんだぞ」
「どれも、種族名に近しい物ですがね。私なんて、エルダートレントの最初の3文字じゃないですか…」
俺は、自分のネーミングセンスをエルダに指摘され先程言いかけた名前を考え直した。
「ふむ、じゃあ髪も目も赤いから「クレナ」でどうだ?」
俺が、そう言うとクレナは目をキラキラして頷いた。ふむ、喋れはしないが表情で分かるこれは喜んでいると、エルダの方を見ると「普通にいい名前を付けましたね」と言われた。…まあ、【赤い】から連想されたのが【紅】で流石にそのままだと何か言われそうだったから1文字消して【クレナ】としたのがバレると「結局、1文字消しただけ…」等エルダに苦言を言われそうだからこの事は墓場まで持って行くとしよう。
この子、当初グランさん達と会う前に出す予定でしたが色々と話を進めて行くうちにここまで出すことが出来ませんでした。




