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第92話 【邪信教】


 女神様の部屋に呼び出された俺は、光が収まるのを待った。光が収まると俺の目の前にイアラ様が怒った顔でこちらを見ていた。


「…すみませんでした。イアラ様ッ!」


 俺は、怒っているイアラ様を見た瞬間バッと正座の体勢に入り大きな声で謝罪をして頭を地面に叩きつけた。


「レイ君…何で、邪信教だって分かったのに逃げなかったの…」


「それは…ラル達の親が危険だったからです。あれが魔物同士の交戦なら俺は何も手出しはしませんでした。しかし、相手が邪信教でラル達の親が危険な状況だったので…すみません」


「そう…レイ君、1つだけ私が何故邪神教と相手しないでって言ったか理由が分かる?」


「いえ、ただ悪の組織だから近づくな程度だと思ってました」


 俺は、素直に思っていた事をイアラ様に言った。イアラ様は何か考えるような仕草をした後、話し出した。


「邪信教は、私達神でさえ相手が出来ない組織なのよ。邪信教が信仰している邪神は元転生神なのよ…ねぇ、レイ君ここに転生する時何か1つ疑問に思わなかった?」


「えっ?特に何も思いませんでしたが…」


「そう…じゃあ1つ質問するわ。レイ君学校で習ったと思うけど神には色々な種類が居るのは知ってるよね?」


「はい、イアラ様は豊穣をセーラ様は魔具をリュアン様は魔法を司っているように神様は一柱一柱で司っているものが違うと」


「そう、神々はその1つのものを司り世界の人々から信仰され信仰心を集め力を付けるの…」


 イアラ様はそう言いながら、悲しそうな顔をした。


「私やリュアン、セーラそして、さっき言った転生神、名前はアルと言ってその子を合わせて4人が女神として同時期に神として存在するようになったの、私やリュアン達は異世界で信仰を集めやすい豊穣や魔法だったから信仰も集めやすく十数年で神としてランクを上げて行ったの、でもアルだけはそう行かなかったの」


「アル様は、転生を司る神…もしかして、転生者がそのアル様を信仰しなかったんですか?」


「流石レイ君早い回答ね。でもそれじゃ正解じゃないのよ。アルに転生して貰った子達は最初こそアルを信仰したわ。それはもう、何百何千とアルを信仰したわ他の神の信仰心の力を寄せ付けない位にね。…でも、転生者たちは自分達が転生させてもらったアルの事を忘れ他の神達を信仰したりしてアルの事を信仰しないようになった。そして、他の神はアルのおかげで神としてランクが高くなっていきアルは置いて行かれる様に神としてランクがほとんど上がらなかったの」


「…でも、転生者は沢山来てたんですよね?そんな、直ぐに他の信仰者が」


「そうね。それはもう転生するって聞いたら「行きたい行きたい」という者達が多かったわ…ねえ、レイ君転生する時にポイントで自分のステータスを決めたのは覚えてるよね?」


「覚えてますよ。童貞のおかげでポイントが倍になったとか色々と…」


 俺はそこで、自分が前世で童貞のおかげでここまで強くなっている事を再認識して前世の俺に感謝をした。そして、絶対にこの世界では使ってあげると誓った。


「今そんな誓いはしなくていいわよ…で、そのポイントは自分が前世の行いで決まっているのにも関わらず「こんなんじゃ、チートで異世界に行けない!」や「ハーレム作れないじゃないか!」ってその何百人のほとんどがアルに文句を言ったのよ。そして、最後は「ポイント位神の力でどうにかしろよ」と言われる始末で信仰なんてしてくれる要素が1つもない者達も転生させていたの、その度私達が愚痴を聞いてあげてたわ…そんな時1つ事件が起きたのよ」


 まあ、確かに異世界って言ったらチート無双でウハウハ旅を想像するよな、俺も童貞じゃなかったらどうなってたか…


「事件って何ですか?」


「アルは、ポイントが少ないままで文句言う者達が居るのであれば元々ポイントがそれなりにある人達だけを転生させればいいと思いつき、それからポイントが高い者達だけを転生するようになったの、でもそれを見た神のトップで創造を司っている創始の神に他の神が報告したの「あの転生神は、人を選んでいると」それを聞いた創始の神は直ぐにアルを呼びだしたの、そこであった事は私達も聞かされてないんだけど、創始の神の部屋から出て来たアルは無表情のまま自分の部屋に帰って行ったの」


 そこで、イアラ様は1つの本を空間出した。イアラ様はページをパラパラとめくった後1つのページを俺に見せてくれた。


「えっと、それは何の写真ですか?」


「これはね、今レイ君が住んで居る王都の街並みの写真よ」


「えっ?!」


 イアラ様が言った後、俺はその写真を見た。出店が並んでいる写真には、今の世界には無い料理の数々に建物の作りも前世と比べ物にならない程の物ばかりだった。そして、これが異世界だと表わすように大きな城には王都の紋章が掲げあげられていた。


「これは、一体…」


「アルは、自分の部屋に戻った後ポイントの有る無し関わらず転生者を異世界に送って行ったのよ。自分を忘れる転生者たちには何も言わず新たな転生者を送り続けたの、そして創始の神から呼び出されて数百年が経った時アルは動き出した。アルは、私達を部屋に呼び最後の別れと言って私達にレイ君が持っている保険の最上級の物を付与した瞬間アルは、転生者たちによって進んだ文化を持った異世界を反転し神々が異世界を作った頃に戻したの」


「…と言う事は、最程見せて貰った写真は反転する前の王都の写真って事ですか」


「そうよ。反転された世界に気が付いた神々は、こんなことが出来るのはアルだけだと分かり直ぐに部屋に来ようとしたわ。そして、アルはまた反転の力を使い転生者達によって信仰心を集めランクを上げていた神達を元の数値に戻したの創始の神はこんなことをしたアルを神として相応しくないと言って落とそうとした。その瞬間、アルは自分を堕天させ邪神として成り代わったのアルは初めての邪神となり創始の邪神として創始の神と同格の力を得たわ」


「創始の神と創始の邪神…世界が始まって最初の神は何か特別なんですか?」


「特別よ。創始の最初の神は、絶対の権限を持つ神になるのよ。創始の神は、その権限を持って創造の力を作り、アルは創始の邪神として破壊の力を作ったわ。その後、アルは転生神として持っていた力を破壊し転生神という枠組みが無くなり転生者を呼ぶのは誰でも出来るようになったの、でも流石に誰彼構わず転生者を呼べるようになったらマズいと考えた創始の神は、上位の神だけが転生者を呼べるように創造したの」


「それで、イアラ様は俺を転生出来たんですね。それで、その後はどうなったんですか?」


「アルはその後、破壊の力を使い部屋を破壊し私達と創始の神を部屋から追い出し自分の力で新しく部屋を作り直したの…邪神の部屋としてね。その後、邪信教と言った物を作り自分の信仰を増やすようになったの何度か創始の神が潰そうとしたけど破壊の力で神の力は退けられ、私達が呼ぶようになった転生者はアルの力でほとんどが赤子のまま殺されていったわ中には見つからないように先に神々が守って生活させようとしたけど邪信教がその生まれた子の街を破壊したりして異世界を発展させないようにして行ったわ」


「そうだったんですか…それで、転生者である俺を邪信教に近づけたくなかったんですか」


「そうよ。確かにレイ君には【保険】があるけどアルにはそれを破壊する力があるの、だから邪信教には近づいてほしくなかったの…」


「イアラ様の真意を知らず、こんなことをしてしまってすみません…」


 俺は、イアラ様がそこまで考えていてくれて注意をしていたのにも関わらずノコノコと邪信教と戦って撃退した事に喜んでいた自分が今もの凄く殴りたい気分になった。


久しぶりの執筆で書き方が迷走して変になっていますがリハビリも兼ねてかんばって行きますので今後ともよろしくお願いします。

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