第91話 【これから先】
「…」
クソッ、何て様だ。殺された相手だからって、怯んで動けなかった。俺の後ろには、ライやラルの家族が死んでいるのにもかかわらず俺は…
「ご主人様、大丈夫ですか…」
「…よし、決めた。ライ、ラル折角親と会えたことだみっちりお前らは親に甘えろ。そして、鍛えて貰えお前らの親はキングクラスの魔物だからな」
「ぴ~?」
「わう~?」
「エルダ、お前もトレンとレントを鍛える為にここに残れ」
「えっ、ちょちょっと待ってくださいよご主人様、行き成りどうしたんですか?」
エルダは困った顔をしてそう言ってきた。ライとラルも戸惑いながら俺の顔を見て来た。突然こんな事話言われたら誰だって戸惑うのは当たり前だよな…
「さっきの逃げて行ったマントを羽織っていた奴はな、俺と同じ世界からきた奴なんだよ。それも、俺を殺したな…」
「えっ?!ご主人様をッ!」
「ぴッ?!」
「わうッ?!」
俺を殺したというのに驚いたエルダ達は、戸惑いの顔から驚愕の顔に変わった。
「ああ、向こうの世界では普通の一般人だったからな刃物で刺されて死んで女神様に転生させてもらったんだよ。まあ、ここら辺は時間が有る時にでもするよ。今、話をするのはこれからの先の事だ。さっきの奴は今言った通り俺の世界に居た奴だ。それが、こっちに来ているって事は何かしらの特別なスキルを持って来ているはずだ俺の時はイアラ様に色々と面倒を見て貰ったおかげでこんな強さを持っているが奴は、邪信教と言う事は邪神から何かしらやってもらってあるはずだ」
邪とは名前についてはいるが、神には違いない奴も俺と同じように転生…いや、あの顔つきだと転移なのかもしれない刺される時に見た顔はあれより何十歳か老けていたはずだから転移する時に弄ったのだろう。
「そんな訳でこれから先、邪信教を相手に戦う事になると思うから今以上の強さを求められるわけだ。俺も、数カ月後の長期休みに入ったらこっちに来ると思うからそれまでには今以上…できれば2倍位強くなっていて貰いたい。こっちでも、色々と準備はする」
「ぴ~…」
「わう~…」
「…分かりました。ライ君もラルちゃんも分かってくれたみたいです。私も、トレンとレントを出来るだけ強くしておきます」
「頼んだエルダ…と言う訳で、そちらのライ達の親御さんたちも協力して貰えませんか?」
俺は、後ろで待機していたライとラルの親、そして親たちの後ろに大人しく待って居るスライムとウルフ達に言葉を投げかけた。(スライムとウルフ達の他に、ここの湿地帯でキングスライム達と同じようにここでボスとして君臨している。ワイバーンの上位種のレッドワイバーンが待って居た)
「…ええ、私の子ですから面倒は見させて貰います。しかし、貴方は本当に邪信教と戦うつもり?」
「ッ!やっぱり、喋れたのか…」
まあ、上位個体だから喋ってくれるかな~的な感じで話しかけたんだが本当に言葉が返って来るとちょっとビックリした。スライムの方は、ジッとこちらを見るだけだったがウルフの方だけは返事を返してきてくれた。
「まあ、確かに今のままだとちょっと厳しいかもな邪竜とは戦ってきたがまさかあそこまで強い奴が現れるとは思っていなかったからな…でも、まあこっちには邪神に負けない位強い神様が見守ってくれているからな大丈夫だ」
「…やはり、貴方は神と通じている方ですか…貴方は何処の神様を信仰しているのですか?」
「ああ、使徒として契約をしているのがイアラ様でリュアン様とセーラ様を信仰しているよ」
「ッ!イアラ様の使徒でございましたか、分かりました。全力を持って我が子を育て上げます!」
ラルの親達(奥から、父親個体であるブラックウルフのキングクラスが出て来た)は頭を下げて来た。そして、先程からずっとこちらを見ていたスライムキングはボヨンッボヨンッと体を動かし俺の近くに寄って来た。
「…ぴッ」
キングクラスは、ライと同じように鳴いて俺の額に触手?見たいなの伸ばしてきた。
(すみません、私はこうしないと相手に話しかけれないのです。先程まで、貴方の隣に居ます我が子と念話で喋っていて貴方の事は聞かせて貰いました。先程のお願い、私共スライム一族は、貴方の従魔であり私の子であるライを全力で鍛えます)
「そうか、ありがとう。礼は、俺が今度来る時にするからそれまでライとラルを頼む、エルダはトレンとレント達を見ながら偶にこっちに顔を出してあげてくれ」
「分かりました」
その後、一応神様にここの見張りをして貰っておこうと思い洞窟拠点まで帰って来てスペアのイアラ様の像を洞窟の中に置いた。その時、祈りをする暇も無く突然辺りが光出し俺は女神様の部屋に連れて行かれた。