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第9話 【盗賊狩】


 私の名前は、グラン・マグラットだ一応王国の王国騎士団第3団長の肩書を持っているが今は休暇に入って、自分の領地であるマグラットに父と母を呼んで帰ってきていた。


「そう言えば、グランこの前会った子供には会いに行くのかい?」


「ええ、母さん今日行く予定ですが」


「いやね、私もお礼がしたくてね。ほら、あの子小屋には住んでたけど着ていたのはローブとぶかぶかな靴だったでしょう?だから、ほら洋服作ってみたの、それと昨日帰って来た時に買っておいた靴をあの子に渡してくれないかしら?」


 母さんは昔から裁縫が好きで、スキルレベルも7と相当高く洋服屋を出来るレベルに達している。そんな母が作った服はあの子にピッタリ合いそうで尚且つ動きやすそうだった。


「はい、分かりました。それも、あの子に渡しておきますよ、それではそろそろ向かいますので」


「ええ、気をつけてね。この前みたく盗賊が出るかもしれないから」


「母さん、この前は母さん達を守りながらだったから盗賊を倒せなかったけど、これでも団長だよ盗賊位大丈夫だよ。それじゃ、行ってくるね」


 私は、心配性な母さんにそう言って、外に停めてあった自分の馬車に乗りあの子が居る山へと向かった。そして、あの子が居る山へと向かう途中、山の方から大きな音がした。


「な、何だ?!この方向は、あの子の小屋の場所じゃ…急ごうッ」


 私は、急いであの子の所へと向かう事にした。そして、あの子の小屋が有った場所に着くと、そこは昨日来た時とは違っていた。


「ど、どういう事だ、昨日はこんなことには…あ、あれは」


 私は、小屋の後ろの方でまだ焼かれて間もない死体が転がっていた。先程小屋の中をチラッと見え中が荒らされていた形跡があったのでこれは盗賊の死体だと思う。


「これは、あの子がやったのか?…あ、あれは」


 洞窟の入り口に綺麗な像が横に倒れていて顔が外れていた。あれは、この前少年に会った時私が偶々見てしまって教えて貰った。女神様の像だったはず、あの子はこの像を大切していると言っていたはずだ、もしかしたら、この像を盗賊に壊されて怒って盗賊をやったのか…


「しかし、盗賊が2人だけとは限らないよな、それにあの子の姿が見えないな…」


「ギャァァァ…」


「ッ!」


 その時、何処からか叫び声が聞こえた。私はその叫び声が聞こえた方へと行く為馬を小屋に繋ぎ荷台から剣と鎧を取り、装備して向かった。

 叫び声が聞こえた方に着くと、洞窟がありその入り口に盗賊が数人倒れていた。


「この中に、あの子が居るのか、よし行ってみるか」


 私は、洞窟内部に行こうとした時中から十数人の男女が入り口に向かってきた。


「君たちは、盗賊では無いようだけど」


「はい、私、達は盗賊に捕まって、」


 集団の中で1人だけ私に近づいて来て、枯れた声で説明をした。私は、男性に水が入っていた革袋を渡し水を飲ませてあげ落ち着いたところで、質問をした。


「ああ、分かった。それじゃ、この先に私の馬車が有るからそこで待って居てくれ後から私も行くから、それと1つだけ聞いてもいいかい?」


「はい、なんでしょうか」


「君たちを助けたのは、10歳前後の子供だったかい?」


「はい、盗賊を投石で倒すと1人1人頭をつぶして行ってました。あんな子始めてみました」


「そうかい、分かった。」


 私は、男の話を聞き洞窟の中へと入って行った。中に入ると、奥から盗賊の叫び声が時折聞こえ奥に行くにつれ、盗賊の死体が増えて行った。


☆★☆


 俺は、一番奥に着くと、中の部屋を探知魔法で中を探ると部屋の中には1人しかいなかった、俺は扉を開けた瞬間火魔法で炎を放った。


「ゲホッゲホッ、誰だッ!!」


「貴方の所の馬鹿に迷惑を掛けられた者でーす」


 俺は、まだ死んでなかった中の人物の問いかけに答えながら部屋の中へと入った。部屋の中には、筋肉モリモリの服の炭で真っ黒になった大男が背中に斧を背負って居た。


「ガキか、なんだガキ、檻からでも脱走したのか?」


「数秒前に聞いた事も忘れたのか、馬鹿か?俺はお前の子分に迷惑かけられた者だつっただろ?ちゃんと、その小さな脳みそで理解しろよ」


「ガキ、調子に乗るなよ?それにな、俺達は盗賊だ迷惑かけて当たり前だッ!おい、お前らこのガキをとっ捕まえろ!!」


「…」


 大男が仲間を呼ぶために叫んだが、意味はない、この洞窟に居た盗賊は全員俺が倒してきた。助けに来る奴は1人も居ない盗賊は何故仲間が来ないか慌てていた。


「何故、誰も来ないんだ!!」


「それはな、俺があんた以外全員倒してきたからだよ。ほらっ、もう話事は無いだろ。行くぞ、害虫ッ!!」


「なめるなよ、ガキィィッ!!」


 盗賊の親分は、背中の斧を取り俺にたたきおとしてきた。俺は、それを剣で受け止めようとしたが俺の力は圧倒していたはずだが、剣の方が耐久が無くポキッと折れた。


「ギャハハハ、どうだ俺の力はッ!!」


「ああ、煩い煩い、一々騒ぐなよ。ほらっ、新しく剣を用意した。ほらっ、行くぞ」


「俺の力があれば、剣なんてどれでも折れるんだッ!」


「キイイ―――」


 俺が、今この場で用意した剣は盗賊の斧を受け止めた。そして、俺は斧を押し返して盗賊の右肩へと斬りかかった。


「ガ八ッ!な、何で剣で…」


「当り前だ、お前の力より強い強度に俺が作ったんだから」


「お前が作っただと…しかし、その剣はさっきここで…」


「そうだよ。お前でもわかるだろ見てたんだから、俺は錬成魔法でこの場に落ちていた鉄を掻き集め、剣にしてお前の斧の力に耐えれるように作ったんだよ。」


「クソッ、お前本当にガキかッ!!」


「俺はてッ、ガキじゃねえよッ!!」


 俺は、違うフレーズを叫びそうになったがさっきこの部屋に入る前に探知魔法で見た時ここに近づいてくる気配を感じ取っていたのでいうのを止め、ガキというフレーズだけ言って盗賊の喉に剣を刺した。そして、盗賊は「ガフッ」と最後に血を吐き地面に倒れた。

 盗賊が倒れた後、部屋に誰かが入って来た。


「やっぱり、ここに居たんだね。レイ君」


「んっ?ああ、グランさんか昨日ぶりだね」


 部屋に入って来たのは、昨日会った騎士のグランさんだった。


「ここに来るまでに、盗賊が倒れていたけど全部君がやったのかい?」


「ああ、そうだよ。俺の大切な物を壊したんだ、それの報いだよ」


「…ねぇ、レイ君どうして君はそんな簡単に人が殺せるのかい?君はまだ、10歳位だよね?」


(まぁ、そうだよな、たしかに10歳にも満たないこんな子供が平然と人を殺してたらそう思うのは普通か…)


 俺は、剣に着いた血を振り払い腰に差してグランさんからの質問に答えた。


「簡単って言っても、俺だって心は苦しいよ?でも、この世界じゃそれが普通じゃない?俺だって昔人に殺されかけたんだよ?」


(まっ、実際は死んだんだけどな、そのおかげでこの世界に居るわけだが…殺されるかもしれない世界で躊躇ってたら俺が逆に殺されてしまう。それなら、相手を殺す方がいいに決まっている。それに今回は相手が盗賊という完全悪の集団だったしな)


「そう、だったのかい、ごめんね変な質問をしてしまって」


「いいよ。誰だって思うさこな子供が人を殺してるんだもしかしたら快楽者かもしれないからね。質問して正解だよグランさん、あっ、そうだグランさんこの盗賊どうしたらいいかな?」


「そうだね。そこの親分の人の頭だけ袋に入れてギルドに持って行くと討伐金が出るはずだよ。後の盗賊は後処理が面倒ならギルドに任せてもいいと思うよ」


「そうだな、今日は疲れたし、そのギルドとやらに任せるよ。」


 俺は、親分の頭をナイフで切り取り袋に詰めて、アイテムバックに入れた。


「おお、レイ君アイテムバックも持ってたんだね」


「ああ、昔拾ったんだよ。グランさん、まだ質問したそうな顔してるけど取りあえず洞窟からでよう。血を浴びすぎてローブも俺も血なまぐさいから早く洗い流したいんだ」


「そうだね」


 俺達は、洞窟の入口へ向かい走って行き、未だ入り口で待って居た男女の集団と共に俺の小屋へと向かった。

 俺は、小屋に戻ってきて男女の集団に盗賊が散らかした奴ではなく、こんな時のためにと隠し倉庫の中からクッキーと木のみジュースを出してあげた。その間俺は、湖に行き体を洗った。ローブには着替えずグランさんが「母さんから君にお礼の品だよ」と言って渡してきた服と靴を着た。上着の左胸には騎士のマークに盾と剣を構えてるワッペンが刺繍されていて、これは何なのかとグランさんに聞くと「それが、あれば僕の領土に自由に入れる証だよ」と言った。ここで、俺は初めてグランさんが意外にもお偉いさんだと気が付き「様付きのが良いですか?」と聞いたが、グランさんがそのままでいいよと言ってくれたので俺はこれからもグランさんの事はグランさんと言う事にした。


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[一言] 強くなりすぎて親兄弟から拒絶されそうです!
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