第82話 【ダイズゲットだぜ!】
従魔達の自慢も終わり、学校が見え始めた所俺達が来た道とは違う方向からクリスが来て4人で教室へと向かった。教室に着いた俺達は、席に座り雑談を始めた。
「そう言えば、レイどうだったシフォン様の魔法練習は?」
「ああ、知識は今迄の勉強で事足りるみたいだから魔法の操作を覚えて貰ってる所だよ。魔力が多すぎて調整が今迄無理だったけど何とかなりそうだよ」
「そうなのか、上手くいってるみたいなら良いけど何かあったら俺達も手伝えることがあったら手伝うから言ってくれよ」
「ああ、ありがとな、ディー」
その後、先生が来るまで朝の出来事をクリスに話したり、料理で欲しい調味料が欲しい~みたいな愚痴を言ったりと時間を過ごした。そして、先生が来て生徒達は自分の席に座り先生の話を聞く体制になった。
「え~、それでは毎年この時期に開催されています。【学園大会】のお知らせです今年は、高等部になりましたので参加権があります。」
「あの~、先生」
「はい、なんですかレイディア君?」
「学園大会って何ですか?」
「ああ!すみません、レイディア君とシズクちゃんは知りませんでしたね。では皆さんもお話ししますのできちんと聞いておいてくださいね」
そう言って、ネルビス先生は【学園大会】について話し出した。学園大会は、高等部の生徒が科別に競い合って実力を試す大会で会場は先生達と学園長が作った特設会場があり、怪我等と外的ダメージを脳に振動させ気絶させるシステムになっていて怪我・死亡は絶対にしないが軽い脳震盪にはなるらしい。(回復魔法が使える先生が何十人も用意されてあるので問題ないらしい)参加は自由だが優勝賞品が毎年豪華になっているらしいのでほとんどの生徒は参加して、ダメだったら会場には出店などが並んでいるのでそこで買い物をして楽しく観戦をするらしい。
「とまあ、こんな感じです。参加希望の方はこの後用紙を配りますので親御さんのサインを貰って持って来て下さい」
そう言って先生は風魔法でプリントを配り朝のホームルームは終わった。その後、歴史や魔法に関しての授業があり真面目に受けていたらいつの間にか昼食の時間になっていた。前世では面白くもない古典や日本人だから英語なんて知らんと言って英語の勉強を嫌々して授業なんて聞かずに友達と喋っていたりしていたがこっちの世界の勉強は、英語ではなく獣人の言葉や魔族の言葉を勉強するのは少し苦手だかそれでも英語よりまだ理解しやすく、歴史はファンタジー感があるせいで聞いているだけでも楽しくもっと他にも聞きたいという意思で受けていると時間があっという間に過ぎている。
「レイ早く食堂に行こう、席が取られるからさ」
「ん~、ごめん今日ちょっと学園長に話があるから一緒にご飯食べれないや」
「そうか、それじゃクリス、シズク行こうか」
そう言って、ディー達は食堂に向かった。俺は、机の上に出していた勉強道具を一応学園のカバンの中に入れ、教室を出て学園長室へと向かった。学園長室に着いた俺は、「コンッコンッ」と扉をノックして中からクフィさんから返事が返って来たので「失礼します」と言って中に入った。
「クフィさんすみません、行き成り来てしまい」
「良いのよ、昼食を1人で食べるだけだったしレイディア君だったらいつでも来てもいいわよ。…アルフから聞いたんだけどチョコ開発したの?」
「はい王都の出店に元の素材が売ってあったのでそれを料理魔法を使って作りました。あっ、良かったら食べますか?一応、チョコクッキーにして食べているんですが」
「欲しい!」
クフィさんは、右手と左手をバッと俺の前に出した。クフィさんの手に皿に数枚チョコクッキー話置いたのを渡すと落とさないように椅子に座り直しチョコクッキーを食べ始めた。
「あ~、幸せ~まさか異世界に来てチョコが食べれるなんて思いもしなかったわ~」
「それは、良かったです」
「そう言えば今日は、何で来たの?」
「あっ、そうでした。クフィさん、醤油とか他の調味料が手に入る場所って知ってますか?」
「う~ん、醤油自体は無いけどその原料の大豆が手に入る場所は知ってるわよ」
クフィさんは、クッキーを食べながらそう言った。俺はそれを聞いて驚いた。大豆があれば、俺が一番お世話になった【モヤシ】や爺ちゃんが好きで一緒に食べていた【枝豆】何かも作れるじゃないか!
「クフィさんそれどこですか?」
「場所は、まあこの大陸から出て3つくらい先の大陸に大豆が育っている場所があるわ」
「3つ先の大陸…【空歩】で行けば道中は大丈夫だが、大陸を渡るとなると1日じゃ…」
「レイディア君、そんな真剣に大陸横断とか考えないでよ。知ってるって事は、持ってると考えてよ。」
クフィさんはそう言って、自分のアイテムバックから紙袋を取り出した。その中には、小っちゃい粒が沢山入ってあった。
「学園を建前に大陸を旅してた時に手に入れてたのよ。そこの大陸は、ここより文明的には進んでいないけど日本にあった食材が色々とあったのよ。米や小麦、大豆もそこで育てられていたのを貰ったのよ」
「そうなんですか、あっでも俺もこっちに来て米を売ってる人と会いましたよ?」
「そうなの?それじゃ、その大陸から出て来た人がこっちの大陸で生活してるのかもしれないわね」
「そうですね。取りあえず大豆ありがとうございます。醤油や他の物が出来たらまた知らせしますね」
俺はそう言って、学園長室を出てルンルンで教室に戻った。そして、午後の授業の途中自分が昼食を食べるのを忘れてるのを思い出しお腹が「ぐ~」となり恥ずかしくなり休憩時間にクッキーをアイテムバッグから出して食べているとディー達も欲しいと言ったので4人で食べていると後ろから視線が感じるなと思うとシフォンさんがこっちをジッと見ていたのでディー達に「シフォンさんも呼んでいい?」と小声で聞いて3人から「いいよ」と言われたのでシフォンさんも呼んで5人でチョコクッキーを食べた。
その後、匂いにつられて他のクラスの人もこちらを見ていたのでクラスの皆にチョコクッキーを振舞い、次の授業ではお腹もならずに真面目に授業を受け、放課後のシフォンさんの練習時間になった。