第8話 【盗賊】
俺は女神様の像にお祈りをした後、体を洗うために湖へと行った。そこで、俺は今日の朝食に魚が食べたいなとふと思い湖で魚取りを始めた。
「そろそろ、止めるかラル、ライ帰るから遊びは終わりだ」
「わう~」
「ぴ~」
「ほらっ、ラルは濡れてるだろ拭いてやるから来なさい」
「わう」
俺は、ライと一緒に水遊びでずぶ濡れになっていたラルを綺麗に拭いてあげた。その時、俺の洞窟拠点の方から大きな音がした。
「あれは、俺の拠点の方だよな…ラル、ライと一緒にこの前教えた山の所に行ってなさい」
「わう~」
「ぴ~ぴ~」
「お前たちが俺の心配をしているのは分かるが、俺なら大丈夫だ安心して待ってなさい」
「わう」
「ぴっ」
「よし、良い子達が帰ってきたら今日は肉のパーティをしてやろう」
俺がそう言うと、2匹は嬉しそうに跳ねた後ライを乗せたラルは山の隠れ家の方へと走って行った。俺はラル達が行ったのを確認しアイテムバックからこの間、盗賊から奪っていた剣とナイフを腰に差して洞窟拠点へと向かった。
(あいつら、盗賊の仲間か?)
洞窟拠点が見える位置に戻ってきて、洞窟拠点の方を見るとこの間倒した盗賊と同じような服装をした人間が10人程居た。そいつらは、小屋の中にも入り小屋の中から俺が作り置きしていたクッキーと燻製肉を持ち出していた。
(あの、クソ共が俺の荷物に手を出すとは…)
俺は、そこで沸々と怒りがこみ上げていると、盗賊の1人が洞窟拠点の中から像を持ち出してきた。
(女神様ッ!)
「兄貴~、この像中々いいつくりしてやせんか~」
「ああっ?像なんていらねぇよ、そんな邪魔になるもん何て持って行くな、そんな物よりこの小屋の中にある食料を運ぶぞ!そんな、像すてちまえッ!」
「すいやせん、兄貴~」
盗賊は持っていた像をポイッと捨てた。像は、捨てられたとき地面に強く打ち付けられ首がポキッと折れた。
(…皆殺しだ)
俺は、剣を抜き茂みから出た。そして、俺はステータスの敏捷任せに像を壊した盗賊へと斬りかかった。
「うわぁぁぁ!!」
「どうしたッ!」
盗賊は、俺に背中を斬りかかられ悲鳴を上げたが俺は容赦なく心臓がある左胸を剣で貫いていた。そして、悲鳴を聞いた小屋の中に居た「兄貴」と呼ばれた奴と盗賊が出てきた。
「てめぇがやったのか、小僧」
「…うぜぇ、死ねよ」
「ああ!?何言ってやがる、小僧!」
俺に殺意を向けた盗賊は腰に差していた剣を抜き、斬りかかって来た。
「…遅いんだよ。クソがッ」
「ぐぁぁぁ」
俺は、剣を斬りかかって来た盗賊を軽く避け、肩、足と斬っていった。そして、立てなくなった盗賊は叫びながら倒れた。兄貴と呼ばれた盗賊が倒れた事で周りに居た盗賊は荷物を置いて森の方へと走って行った。俺は、死にかけの盗賊に微量の回復魔法を掛けて喋れるようにした。
「くそっ、お前は何者だ、こんな強い子供がここに居るとは聞いて無いぞッ!」
「ああ?知らねえよお前らの事情何て、それで盗賊はお前とさっき逃げて行った奴等だけなのか?」
「…」
「喋らねえと、今からいたーい事するが良いのか?」
「…」
「ちっ、面倒掛けやがる」
俺は、盗賊を持ち上げ近くに有った木へと足と手に剣を突き刺して動けなくした。
「ぎゃぁぁ…」
「うるせえ、叫ぶなら正直に話しやがれそしたら楽にしてやるよ」
「だ、誰かお前みたいな、あ、悪魔に、教えるか…」
「誰が、悪魔だッ」
俺は、涙を流しながらも俺の事を馬鹿にしてきた盗賊の指を一本切り落とした。すると、また先程の様に泣き叫んだ。
「く、くそうもう、ごろじてぐれぇ~」
「嫌だよ。というか、もういいや正直に話したら俺も少しは楽になったんだが、それ程話したくないなら用済みだから死んで良いよ」
「えっ?ギャァァァ」
俺は、死にたいと言った盗賊の首を斬り落とした。そして、俺がさっき殺した盗賊と同じ場所に持って行き身ぐるみを剥ぎ火魔法で焼いた。
「さてと、さっき逃げた彼奴らが一つの場所に固まったと言う事はそこが拠点だな、ふむふむ全員で50数人位か…まぁ、数何てどうでもいいんだがな」
俺はそう言って、盗賊の拠点の思わしき場所へと向かった。
☆★☆
「ここか、ってか盗賊の拠点俺と同じ山の洞窟なのかよ。この前会ったグランさんが言ってた通り、最近ここに移動してきた感じだな…」
俺は、そこで先程から使っていた探知魔法を使った。これも、2度目の女神様と会った時に選んだスキルだ。そして、中を見た感じ10数人が檻の中に捕まっているのが見えた。
「ちっ、こいつら奴隷用として人間を捕まえて隠れ家としてここを使ってたのかよ。って事は、最初考えてた洞窟事焼くのはだめになったな…仕方ない、順番に倒して行くか」
俺は、洞窟の前に立って居た数人の盗賊をまず背後に周り盗賊の首を落とし、洞窟の中へと入って行った。洞窟の中に入って、直ぐの所にまた盗賊が見張っていて、その奥に檻が2つあり、1つの方に男性と男の子、もう1つの檻に女性と少女が入っていた。多分、男は戦闘奴隷で女はあっち系の奴隷であろう。俺は、遠距離から盗賊の頭を狙って石を投げつけ檻の前に居た10人程の盗賊を気絶させた。
「はぁ、メンドクセェ、ここの檻の奴等を逃がせば後は楽かな…」
そう思い、また探知魔法を使うと奥の方にまだ盗賊以外に人が入っていた。それも盗賊にアレをされていたのが見えた。
「ああ、嫌な物見ちまった。まだ、普通の女性なら良かったのに…何で男同士でやってんだよ。」
俺は見てしまったのわ忘れたかったが、脳裏に焼き付いて忘れられなかった。そこで、俺は檻の中に居た十数人の人達から見られてる事に気が付いた。
「あの、貴方は、俺達を、助けてくれるんですか?」
その中で一番体格がよさそうな男が檻の近くに寄ってきて、喉が嗄れているのか、小さな声で俺に声をかけてきた。
「ああ、一応見つけたからには、助けるよ。ちょっと檻から離れてな」
「は、はい」
俺がそう言うと、男とそれ以外の人達も檻から離れた。俺は、俺の鉄の棒を2本持ち横にぐい~と曲げた。
「はい、これで出れるだろう。俺はまだ奥に居る盗賊をやるから、自分達で逃げたいなら洞窟から逃げて行ってくれ」
俺はそれだけ言って、また洞窟の奥へと向かって行った。