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第79話 【シフォンさんの魔法練習・1】


 次の日から授業を受けた後、シフォンさんの魔法練習を始めた。前日クリスに「また今度ダンジョンに行こう」と言ったが当分はシフォンさんの魔法練習があるから無理だと伝えた。

 魔法の練習は、入学試験の時にシズクと戦った練習場でやる事にした。


「それじゃ、まずは俺が魔力操作を見せるんで見ててくださいね」


 俺はそう言って、魔力を放出しボールのようにした今回は見えやすいように火の魔力を使った。


「まずは、このようにボールが作れるようにならないと操作を覚えるのは難しいのでシフォンさん、まずはボールを作るイメージをしてやってみてください」


「はい」


 シフォンさんは、返事をした後直ぐに魔力を放出した。シフォンさんの属性は、火・風・光と聞いているので今回は火属性でやる事にした。万が一危なくなった時の為に事前に周りに水が入った桶を置いてあるので直ぐに魔力変換で水を作らずとも水操作をして周りの水で火を消せるようにしてある。

 シフォンさんは、火の魔力を出してボールの形にしようとはしているが放出している魔力が多すぎてボールの形に変化できない様だった。


「…シフォンさん、少し魔力が出すぎているようなので抑える事出来ますか?」


「はい…どうですか?」


「う~ん、さっきと変わってない様ですね。…シフォンさんは魔力が大きすぎて放出の抑え方が難しいみたいですね。では、俺が無属性で火の魔力の周りを囲むのでその形にあった魔力の感覚を掴んでください」


 俺はそう言って、シフォンさんが出している火の魔力の周りを無属性で囲みボールが作れる魔力量に合わせる為に中の空間を狭めて行った。最初は、俺の無属性の魔力を突き抜けそうな魔力を流していたシフォンさんも少し経つと囲みの幅に慣れて行き、それを繰り返して行ってボールが作れる魔力量になったので俺は小さくするのを止め感覚を掴ませるために魔力が続く限り続けさせた。


「レ、レイディア君、そろそろ魔力が…」


「あっ、はい分かりました。それじゃ魔力を流すのを止めてください。今日の魔法練習はこれで終わりですが、念の為にこれを飲んでおいてください」


 俺はそう言って、今日練習を始める前に売店で買っておいた魔力回復薬をシフォンさんに渡した。シフォンさんは魔力回復薬を受け取り中身を飲み一息ついた。


「ありがとうございます。レイディア君、今日の練習今迄で一番何か掴めそうな感じがして楽しかったです」


「それは良かったです。でも、このやり方は少し特殊なので俺が居ない所ではしないようにしてくださいね。魔力操作に慣れたら自分でも出来ますがまだシフォンさんは操作に慣れ始めた段階なので」


「はい、分かりました。…あっ、そう言えばお父様が「邪竜討伐の本当の報酬の準備が出来た」と言っていましたので近々王宮から使者が来るとと思います」


「あ~、分かりました。では、暫くは魔法練習以外は予定は入れないようにしておきますね」


「はい、よろしくお願いします。後、レイディア君」


「はい、なんですかシフォンさん?」


 シフォンさんは、俺の方を真剣な顔で見つめて来た。


「なんで、私の名前を呼ぶとき「さん」って付けるんですか?それに敬語口調もです。私達は同い年でクラスメートですよ?」


「いや、それは…シフォンさんが王女様だから?」


「…今度からは「さん」は無しです。それと、敬語も無しです。」


 シフォンさんは力強くそう言い切った。これは、断れない感じだな…


「分かりました。それじゃ、シフォンよろしく」


「はい、レイディア君」


「あ~、俺の事も「レイ」って呼んでくれていいよ。親しい人は皆そう言ってるから」


「分かりました。それじゃ、よろしくレイ君」


 笑顔でそう言ったシフォンさんは、座っていた地面から立ち上がり練習場の隅に置いていた学園のバッグを取り帰宅の準備を始め、準備が終わった後練習場の管理人に使い終わった事を報告し正門の所まで送った。正門には、王宮からの馬車が来ていて「レイ君も途中まで乗って行きますか?」と言われたが流石にお断りをさせて貰いシフォンは馬車に乗って帰って行った。俺もその後、自分の家まで歩いて帰り久しぶりに新しい料理に手を出そうかと思ったが今日は魔力をずっと出し続けていたので少し疲れたので飯より先に風呂に入りそのまま飯を食べる事を忘れ眠りについた。



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