第77話 【シフォンさんの家庭教師へ・1】
ダンジョンから帰還した俺達は早速、手に入れたアイテムを換金することにした。換金場所は売店の横で換金が出来るとクリスが教えてくれたので俺達は階段を上がりその場所へと歩いて行った。
「あそこだよレイ君」
「へえ、売店の横なら換金した後直ぐに買い物が出来るし便利だな、クリスの予想では今回の報酬どの位だと思う?」
「う~ん、そうだね。まあ、100か150いったら良い方かな?」
「そんなもんだな、まあ数十分だけだしな」
俺達はそう言って、換金所の所に行って取って来た魔石と魔物の素材を売った。クリスの予想通り換金結果は、【110】ポイントだったので二人で分けて55ポイントを自分の学生証にチャージされた。
「さてと、今日はありがとなダンジョンに誘ってくれて」
「いや、僕もレイ君と行けてよかったよ。また今度、ディー君達も一緒にダンジョンに潜ろうね」
「そうだな、んじゃそろそろ帰るか」
そう言って、俺達は換金所や売店がある場所から外に出て学園の正門に向かって歩いて行った。すると、後ろからネルビス先生の声が聞こえ「レイディア君、ちょっと待って」と言われたような気がして俺とクリスは立ち止まってネルビス先生が来るのを待った。
「えっと、どうしたんですかネルビス先生?」
「ええ、ちょっと学園長がレイディア君に用事があって探してたんですよ。放送にも流したんですが聞こえませんでしたか?」
「すみません、さっきまで俺達ダンジョンに行ってたので放送聞こえてませんでした」
「そうだったの、良かったわ帰る前に見つけれて、それでこの後いいかしらレイディア君」
「あっはい、分かりました。んじゃ、そう言う事だからクリスまた明日な」
「うん、じゃあねレイ君」
俺はねクリスに別れの挨拶をしてネルビス先生と共に学園の方に戻って行った。そして、学園長室前に着きネルビス先生が扉を「コンッコンッ」とノックし「失礼します」と言って俺とネルビス先生は学園長室に入った。
学園長室には、学園長と王宮で会った執事そして俺のクラスメートでありこの国の第三王女のシフォンさんが居た。
「ありがとうネルビス、それじゃネルビスは仕事に戻って良いよ」
「はい、分かりました。」
ネルビス先生はそう言って、入って来て開けていた扉からそのまま出て行った。俺は、中に入ったのは良いがこの状況に自分の頭が整理されていなく立ちっぱなしの状態になっていた。
「まず、レイディア君少し戸惑っているようだけどそっちのソファに座ってくれたまえ」
「は、はい」
俺は学園長にそう言われたのでシフォンさんと執事さんが座っている反対側のソファに座った。
「それで、まず今回呼んだのは分かっているとは思うのですがシフォンさんの家庭教師の件で呼んだのです。今日レイディア君達のクラスではお互いの魔法の腕を見せ合いましたよね?」
「はい」
「その時、シフォンさんの魔法を見てどう思いました?」
「えっと、その…」
う~ん、そうだなどういったらいいのかな…
「あの、レイディア君」
「はい、何ですかシフォンさん?」
「私の魔法、酷いのは知ってますので遠慮なく言ってください…」
「ふむ…では、まず1つ目は王様から聞いてた通り魔力は凄まじかったです。普通の魔法使いの何倍もありました。ですが、その魔力をシフォンさんは上手く操るどころかほぼコントロールが出来てませんでした。魔力操作をしてきたの?と疑うレベルで」
俺は、あの時シフォンさんの魔法を見て思った事を全て目の前に座っている本人に直接言った。
「…レイディア君、結構エグいね。」
「えっ?」
「…うう、やっぱり私には、魔法向いてないのですか…」
「えっ?いえいえ、そんな事は無いですよ?コントロールさえできれば素晴らしい魔法使いに慣れますよ」
「…今迄魔力操作は散々練習してきました。ですが、全然魔法の扱いが上手くなりませんでした…」
そう言って、シフォンさんは落ち込むように顔を下に向けた。
「あの、多分それやり方の問題だと思いますよ?だって、その人達は〝普通の量の魔力の人達のやり方〟をシフォンさんのような高い魔力を持った人に魔力操作なんて教えても上手くなるわけがないですよ。シフォンさんに教えるなら最低魔力は3000以上は必要ですからね」
「そ、そんなにですか?!6歳の時に一度見た時は500少しでしたよ」
「ええ、多分ですが練習の時有り余る魔力を放出して年々魔力量だけが鍛えられて行ってたんだと思います。」
俺がそう言い切ると、学園長も「その話は、本当かい?」と言ってきたので俺はステータスを見せる為の紙を学園長に貰いシフォンさんに「魔力量だけステータスを見せてくれる?」と言って許可を取りステータスを紙に映した。




