第72話 【クリス君の父親は…】
途中でマールとも合流して食堂に着いた俺達は、昨日より人が少なかったので楽に食券を買う事が出来た。俺は、弁当(おにぎりが8つ入ってるだけのバスケットだが)を持って来てたけど皆が食券を買っていたので【ゆで卵】と【3種の野菜盛り】というのを買った。
食券コーナーもクフィさんがてを出したんだろうな、俺が頼んだ物以外にも【ハムサンド】等のパン系や【うどん】や【そうめん】等の麺類もあった。しかし、麺類の所にラーメンが無かった。
「そういや、昨日はあんなに人が居たのに今日は全然人が居ないな」
「まあ、昨日は受験者で多かったからね。普段はこの位だよ。」
「そうなのか、なら明日から使う時は人が居ないから楽だな~」
「そうでもないぜ、レイ」
俺が、楽そうだと行った後後ろに居たクリスが俺の言葉にそう返した。
「普段ここが空いてる理由は、殆どが授業終わりor授業でダンジョンに籠ってる人達が居るからこんな人が少ないがその人達は4日に一度、報告と溜まった報酬合わせにここに押し寄せてくる。一番大きなグループで50人近いグループがいっぺんにここに押し寄せてくるときもあるから、それと被った時は食券もほとんど買われていくんだ」
「マジで?!そんな大きなグループ、よく機能してるな」
「ああ、まあそのグループは大半がC以下のクラスで編成されてるからな人数が集まって数で魔物を狩ってるみたいだ。今年も、途中入学生と新初等部の勧誘をしてたのを見たから、多分また大きくなってると思う」
「へぇ、他になんか注意する事とかあるか?」
「そうだね。…あっ、レイって確かお兄さんが生徒会長だったよね。リック会長のファングループがあるのは…知らないね。多分その人達がレイの所に来ると思うから注意しておくといいよ。後は、今の時期なら確か新学期特価期間とかで雑貨品や素材が2割引きやってるからSクラスの特典と合わせるとほぼタダ同然で買えるから今の内に買うのが良いね。後は、確かレイって料理するって言ってたよね。ここの食堂に自分で考えたレシピを提供することが出来るんだよ。提供したレシピで出来た料理が売れる度に自分の所に何割かお金が入って来るよ」
俺が軽く気持ちでクリスに聞くと、クリスはメモ帳を取り出してスラスラスラ~っと色んな情報を教えてくれた。流石に、そんなに情報が出てくるとは思わなかった俺とディーとシズクは呆気にとられた。
「く、クリスって情報通だな…」
「えっ?あっ…ご、ごめん、情報は武器になるって親父に幼少期から仕込まれていつの間にかそれが普通になってて…」
「ああ、まあ悪い事では無いし、逆に誇れる才能だと思うぜ、ってかクリスの親父って仕事何してんだ?」
「んっ、陰隊だよ。」
陰隊、なんだそれ?俺は、クリスから聞いた言葉に聞いた事ないなと思い首を傾げてると横に座っていたディーが今迄見たことも無い位驚いていた。
「か、陰隊ッ!」
「ちょっ、ディー君そんな大きな声で言っちゃダメだってここには留学生とかも来てるんだから」
「あっ、す、すまん遂信じられない位の情報だったからビックリしてしまった。しかし、本当なのか陰隊って?」
「うん、そうだよ。一応、陰隊第二隊隊長をしてるよ。だから、俺小さい時から修行とか行って山籠もりとかさせられてたんだよ。」
「へぇ~、まあディーが驚くくらいの職って事は結構珍しいんだな。まあ、そんな事はどうでもいいんだがクリスいつ行く?」
「あっ、そうだな、んじゃ明日行かないか」
「オーケー、あっディー達はどうする?」
「すまん、明日は父と食事に行くんだ。父の知り合いの所に会いに行くらしく俺とマールは無理だ」
「あ、私も明日はお祖父ちゃんの所に戻らないといけないから…」
「そっか、んじゃ俺達二人か、まっ楽しむか」
俺は、そう言って最後のおにぎりを食べてバスケットをアイテムバックにしまって、皆が食べ終わるのを待ち食べ終わった後、学校を出る時に皆と別れ自分の家に向かって帰って行った。