第7話 【従魔達】
「レイ君、もう馬車は直ったのかい?」
「ああ、一応確認もしてみたが馬に繋がないと分からないからな、繋いでくれるか?」
「ああ、分かったよ。」
グランさんは俺に着いて来て馬車の所へと来た。グランさんは手慣れた手つきで馬に鞍などを通して馬車を引くた為の4頭の馬に馬車をつないだ。そして、グランさんは馬車に乗り少し移動して見せた。
外から、見てる分だとガタ着きも無くちゃんと車輪は、はまっている様子だったが馬車から降りてきたグランさんに聞いてみた。
「ああ、大丈夫だったよ。というか、以前より走りやすくなってる感じだったが他の車輪も整備してくれたのかい?」
「ああ、やっぱり盗賊に襲われた時に他の所も少し破損してたみたいだから、全部取り換えておいたよ」
「そうか、ありがとう。何か、お礼になる物を…」
「ああ、いいよ別に俺は人助けがしたかっただけだからな、ほらっ急いでたんだろ、中に居る家族と早く行ったがいいんじゃないのか?」
「そうだね。それじゃ、今度もう一度来るよ」
グランさんはそう言って、中に居た老夫婦と子供と騎士を連れて俺の家から出て行った。
「…よし、もう離れて言ったな、いいぞもう出て来て」
俺がそう言うと、洞窟拠点から一匹のスライムと狼が飛び出てきた。
「わうーッ!」
「ぴーッ!」
「おお、寂しかったのか、すまんなしかし、流石に山奥の怪しい子供が魔物連れていたら、多分魔族と思われてしまうからな、仕方なかったんだよ。」
「わうわう」
「ぴー、ぴー」
「んっ、甘いにおいがするって?ああ、クッキーかよく分かったな、お前達にもやるよ」
俺は、家に入り老夫婦と子供達に出したクッキーは全部なくなっていたので貯蔵庫から新しくクッキーを出してきた。
「ほら、食べな」
「わう~」
「ぴ~」
スライムと狼は出されたクッキーを美味しく食べ始めた。
(しかし、こいつらとも会ってもう1年か…)
そう、あれは今日みたいな洞窟で起き上がった直ぐに森の方から大きな音がした。俺は、その時もナイフとアイテムバックを持って音がする方へ行ったのだった。
音が出た場所に行くと、そこにはスライムを頭に乗せた狼をオークが囲んでいるなんとも変な絵図だった。取りあえず、俺はオークを全部倒すと、スライムが俺にすり寄ってきて狼もまた俺の足に頭をごしごしとやってきたので、俺は狼の頭を撫でると「くぅ~」と言って懐いた様子だった。
俺はその時、従魔にする事が出来る。使役スキルを持っていたので従魔になるかと問いかけ2匹とも鳴き答えた事によって俺はそれから仲間が増え、ここで一緒に暮らしていた。名前は狼がラル、スライムがライ
「そうだな、よし今度人間が来た時用に洞窟拠点の以外にも隠れる場所を作る事にしようか」
「わう~」
「ぴ~」
俺は、そう言って2匹を連れて湖側に行く事にした。そして、湖の近くの山に行き少し上ったところに窪みが有った。
「ここなら、お前達2匹なら入れるだろうな、まぁここは人間が来た時の隠れ家みたいなものだから食料は少しだけで良いか、水は湖で飲めるしな」
俺は、アイテムボックスからオークの燻製肉を入れた箱を窪みの奥の方に置いた。
「よし、それじゃ今日は家に帰るか、数年振りに人に会って緊張もして疲れたからな」
そう言って、俺は2匹を連れて帰って洞窟拠点の中へと入った。今日は、疲れもいつもより有りすぐに眠れた。
次の日、俺は湖に行き体を洗いに行き小屋で朝飯を作ることにした。
「あっ、そうだ今日は像を磨く日だったな、後で行くか」
俺は、軽めの朝食を取り、洞窟拠点の中にある女神様の像の所へと行った。
「えっと、それでは失礼させてもらいます」
女神様の像は本人と瓜二つに作り過ぎていて美女の像を洗う前そう言って、俺は水魔法掛けながらゆっくりと綺麗にしていった。洗うのに時間を掛け過ぎて、俺の後ろでラルとライがしゅ~んとなって力尽いていた。
「ああ、ごめんなラル、ライまたやっちまったな、よし今日はお前たちが大好きなオークの肉の日だ」
「わぅ~」
「ぴ~」
2匹は俺の言葉を理解し、嬉しそうにラルは尻尾を振りライはラルの頭の上でジャンプしていた。それから、俺達は朝食を取り、無くなってきていた木の実の採取のために森へ行く事になった。
森に行き、道中魔物が出ても俺が戦う事は、ほとんどなくなっていた。
「ガウッ!」
「グギャぁ…」
「ぴーッ!」
「グゴォォッ」
2匹は、俺とずっと一緒に戦っていたお蔭かレベルも相当高くなっていた。ラルの場合は
✤
名前:ラル
年齢:2
性別:メス
種族:ウルフ
属性:無
加護:レイの従魔
レベル:37
筋力:354
体力:457
魔力:267
敏捷:412
特技:牙攻撃 吠える 穴掘り 能力強化
✤
✤
名前:ライ
年齢:3
性別:オス
種族:スライム
属性:水
加護:レイの従魔
レベル:33
筋力:114
体力:284
魔力:473
敏捷:211
技能:水魔法 分裂 衝撃吸収 悪食
✤
まだ、俺の鑑定のレベルが低いせいでこの位しか分からない、まだスキルを持っているかもしれないしスキルのレベルも分からない状況だ。
ラルはウルフだけあって全体的にステータスは高いがライはスライムという下級魔物だからステータスは低いけどその分、魔法で補っている感じだ。
「んっ、おお、ラル1レベル上がってたぞ」
「わうっ!わぅわぅ~」
「お~、よしよし良かったな~」
俺が成長してる事に行ってやると、ラルは喜んで俺の足元へと来て撫でてポーズをしたので俺はラルの頭を撫でてあげた。
「ぴーッ!」
「わああ、ライすねんなって、ほらライも来て良いぞ」
「ぴ~」
ライが拗ねて俺の顔に水魔法で水を掛けてきたので、俺はライも来て良いぞと言ってもう片方の手でライを撫でてあげた。
そして、木の実も樽一杯分手に入れ、帰りにオークを倒して肉も手に入れ俺達は洞窟拠点へと帰った。
「さてと、夜はどうするか…そうだ、女神様の像になにか捧げてみようかな?」
俺は、この異世界に来させてもらった女神さまにまだ下手ではあるが肉料理一品と出来立てのクッキーを像の前に置いた。ラルとライが「食べたいなー」というオーラを出していたがきつく言ったので大丈夫であろう。
そして、今日はクッキーの作り置きも木のみジュースの作り置きも出来たので洞窟に入って眠りについた。
翌朝、起きるとクッキーと料理を入れていた皿が無くなっていて1つの紙が置かれていた。そこには、「美味しかったわよ」という文が書かれており、俺は朝から女神さまの像にお祈りをすることにした。